外断熱・二重通気の住みごこち ソーラーサーキットの家

ソーラーサーキットはニオイもストレスフリー

今回は神奈川県鎌倉市、爽やかな秋晴れに恵まれました。江ノ電からは、キラキラ光る海にサーファーが見え隠れする、まさしく湘南の風景です。外国人観光客も多く、賑やかな電車が海沿いの線路をゆっくり走っていきます。目的の駅で降り少し狭くも風情のある鎌倉らしい街並みを、しばし山に向かって歩いていくと、落ち着いた赤茶色の壁が特徴のN様邸に到着です。

定年退職後は実家で暮らそう

N様 ご趣味はこけし収集  N様 ご趣味はこけし収集 古びた数寄屋風の門をくぐり、玄関ドアを開けます。敷石のある玄関に佇むと、優しくも、ひんやりとした空気。ソーラーサーキットの家特有の感覚です。N様邸は二世帯住宅。1階はお母様、2階はご夫妻と娘様がお住まいです。
「ここには18歳まで住んでいました。進学~就職~転勤で外国を含むいろんなところに住みましたね。
定年退職を機に、ここに戻って母と一緒に住むことにしたのです。直前は新潟です。冬はそんなに寒くはなかったのですが、雪が大変でした。車通勤だったのですが、職場に着くと雪かきをして駐車、帰りは掘り出すことも多かったです(笑)。」とご主人。
奥様「住んだのは、すべて借家でしたが、鎌倉旧宅を含め、結露とカビが気になりました。鎌倉に住むにあたって、ここの気候は全体には穏やかですが、夏は相当暑いのと、潮風と湿気も気になりました。」
築40~50年の旧家ですが、とても趣のある住まいだったので、補修も検討されたご主人。しかし、鎌倉市の耐震診断では、補修ではとても耐えられないとの結果となり、建て替えを決意されました。

中越大震災の経験

人間生活システム工学からのアプローチご主人は工学博士、ご専門は「人間生活システム工学」です。自然環境、社会状況、コミュニティ環境、家族、住宅をシステムととらえ、人間の諸欲求の充足を目指す学問です。幅広い意味での住まいの専門家ですね。
「建て替えにあたっては“震災に耐えられる家づくり"が大前提でした。耐震診断が建て替えの動機にはなりましたが、2004年の中越大震災の経験が大きかったです。集合住宅の自宅は家具が散乱。近所では、古い在来工法の木造住宅が全半壊。場所によっては、新築でも全壊になったケースもありました。これは、たいへんな経験でしたね。家が壊れると自分達だけでなく、まわりに迷惑をかけてしまいます。そこで、新しい家は耐震設計、制震設計、免震設計から研究しました。」

1Fリビング 左手奥がアクセント壁 1F 和室 2Fリビング 正面奥がアクセント壁 玄関と落ち着いた木質風合いの黒ずんだサイディング部材

快適でエコな温熱環境

「家づくりにあたっては、他に3つの要素を求めました。一つは、快適でエコな温熱環境です。つまり、暑さ、寒さ、湿気、結露など生理的な負担、衛生面での問題を解決して、人間の適応できる範囲内で四季を暮らしの中で体感すること、そのためには “建物からの(冷)熱損失を少なく" “蓄えた(冷)熱を逃がさない" “自然エネルギーを活用する" ため『高断熱・高気密』『熱交換方式換気』『太陽光・地熱利用』などの技術の活用が求められます。私たちは、いろいろな土地で様々な住環境を経験していましたので、なにより温熱環境が安定している家に住みたいと思いました。もちろん健康にも良く、特に妻にとってはカビや結露が出ないことも大きな要素でした。」

ユニバーサルデザイン = 誰にでも使いやすい家

「二つ目は、ユニバーサルデザインの実現です。具体的には、母と私たちの老後に備えた住宅設備設計になります。人間生活システム工学の視点から、いわゆる高齢者や障害者に対するバリアフリー化にとどまらず、可能な限り誰にでも使いやすい家を意識しました。」
「私からは、床をフラットにしてお風呂の段差もなくすことと、オール電化をお願いしました。特にIHは、母はもちろん私にも安全のため必須でしたね。ガスは怖いですから。他は主人におまかせです。何せ研究の一環ですから(笑)。」と奥様。

道路、駐車場からの8.5%スロープ 車椅子ならびに介護者対応トイレ 車椅子ならびに介護者対応浴室

住空間に感性と旧家の思い出を活かす

「三つ目は、住空間に感性をいかすことです。一言でいえば “和の伝統文化のエッセンスを踏まえながら、風合いと色合いを、渋さと大胆さを融合させた癒しの空間をつくり出したい" と。具体的には、外観スタイルを和モダン系にした上で、緑につつまれた鎌倉の街並みに配慮したデザインに、内装はアイボリーのクロスを基調にアクセント壁を取り入れ、シェードやスクリーンにもこだわりたいと思いました。」
「また、旧家は趣のあるいい家でしたので、思い出を残すことは重要な要素でした。母と亡くなった父が大切にしていたものは、できる限り、残したいと思いました。具体的には、門扉、和室天井の無垢の桜板、玄関の敷石、ガラス戸の波板ガラス等です。特に門扉は、父から是非残すようにと言われていたのですよ。」

旧家の門扉をそのまま生かす 旧家から移設した敷石 旧家から移設した桜材の天井無垢板

ハウスメーカーではなくソーラーサーキットの工務店さん

お母様  お母様明確なコンセプトを持たれていたご主人ですが、どこに依頼するかは悩まれたそう。
「新潟でハウスメーカーの展示場に行きました。耐震、温熱環境のコンセプトに合う家はあったのですが、旧家の部材を活かす件には快い返事がもらえません。そんなとき自宅の近くにソーラーサーキットの工務店さんを発見したのです。依頼できないことをお伝えしたにもかかわらず、工法についての説明はもちろん、モデルハウスや建築現場の見学もさせていただきました。」
「工法については事前に知っていましたが、体感して機能を確認できたことは大きかったです。工務店さんのお話や対応から、お願いするならハウスメーカーではなく、ソーラーサーキットの工務店さんだと確信した訳です。そんな中、鎌倉の母が地元で評判のいい工務店さんを見つけてくれました。それが“イソダさん"です。調べてみると、なんとソーラーサーキットの工務店。不思議な縁を感じましたね。“ここだ!"という感じでしたね。」
イソダさんとのやりとりが始まります。

コンセプトを実現する解答

「耐震については、在来軸組工法を飛躍的に高める「TIP工法」を提案いただきました。採用の決め手は、全国で施工実績も多く、なにより中越大震災の震度6の揺れでもTIP工法の住宅は被害がほとんど無かったという報告を読んだからですね。」
「温熱環境に対するソーラーサーキットについては、イソダさんの体感ハウスに2回宿泊し確認しました。加えて、提案いただいた、除湿と熱交換機能をもつ24時間換気のリフレア、オール電化の一環でエコキュートもお願いしました。そして、ハウスメーカーでは一番の問題だった旧家の部材移設にも快く応じていただけました。」
「イソダさんに決めたのは、コンセプトを良くご理解いただいた上で、プロとしての的確な提案だけでなく、できないことは“無理"とはっきり言っていただくなど、自信と誠実さを感じたからです。新潟と鎌倉と遠距離でしたが、Eメールと電話、そして、月に一回程度の打ち合わせで具体的に詰めていきました。建築までに一年程度かかりましたが、スムーズだったと思います。ご担当は苦労されたかもしれませんが…(笑)。」

TIP工法による外壁下地板の様子 ゆるやかな階段 階段横は収納スペース 2階廊下 左奥は小屋裏への階段 天窓からの陽ざしを和らげるプリーツスクリーンとシーリングファン 美しいラインの底目地天井

完成、そして検証?開始

3年間の電力使用量や気象の季節変動データ3年間の電力使用量や気象の季節変動データ完成は11月、お正月は新居で過ごしたものの、本格的にお住まいになったのは4月からになりました。
奥様「やっとできた~!が正直な感想ですね(笑)。住み心地については主人の言っていた通り快適です。何より今まで悩まされていた結露も全くないし、洗濯物もよく乾きます。母も気持ちのいい家だと絶賛です。ただ、気になるのは、夏場に1階と比べ2階が暑く感じるのと、室内音が響くことでしょうか?音については予め聞いていていたことですが。」
ご主人「確かに2階は暑く感じます。イソダさんからはエアコンは各フロア1台でもいいかも?とは言われたのですが、複数台設置しました。しかし、少しつければすぐ温度は下がりますので、利用は必要最低限だと思います。温熱環境と電力使用量については、検証のため、3年間数値データをとっているのですが、予想通りの性能が出ていると思います。(グラフを示して)だいたい思った通りですね。ここ3年は非常に安定しています。2階の熱対策と音については、今後の課題ですね。ただ、全体からみると不満は贅沢の部類です。耐震については実証していませんがね(笑)。」
「ソーラーサーキットとリフレアはキキますね。夏は外気温33℃の時でも、室温は比較的暑い2階でも31℃に収まっており、エアコンを使えば、短時間で適応域の上限28℃に下がります。湿度もリフレアのおかげで容易に50%を実現できています。就寝時には、エアコンを30分程使うだけで朝までぐっすり眠れます。一度室温が下がると、断熱の効果で上がりにくいからですね。」
「旧家からの移設、再利用については、大満足です。特に門については父の思い入れが強かったので、そのままの形で残していただき、玄関の敷石、桜材の天井無垢板への再利用、古い波板ガラスの食器棚への再転用などご苦労をかけてしまいましたが、母や私の旧家の思い出としてしっかり残すことができて感謝しています。」

サポートの大切さ

ソーラーサーキットの家に対する要望をお聞きしてみました。
「年々、断熱材、窓をはじめとする部材、機器の性能がアップして、ますます家が良くなるのは素晴らしいことですが、建ててしまった家を新部材に入れ替えていくことはコスト的に困難です。近い将来、私たちも、記憶力や適応力も落ちてきて、機器の使用もおぼつかなくなります。そこで必要なのはサポートとアフターメンテの大切さですね。定期点検やメンテナンスはもちろんですが、それとは別に、年に一回くらい、訪問していただき、ソーラーサーキットとリフレアの、ちょっとした利用のコツとか、私たちでできるメンテナンスの方法などアドバイスいただけると助かります。今日はいい機会なので、いろいろお聞きして、アドバイスをいただきたいと思います(笑)。」
「最後に、私はすべて検証しないと納得できないので、血圧とともに住まいの数値を記録しています(笑)。温熱環境と健康の関係をとらえられるかもしれません。このデータと知見がソーラーサーキットの家にフィードバックされて今後のより良い住宅をつくるための一助になってくれたらと思います。」
ありがたいお言葉をいただきました。
当日は、この他にも、今後の日本の住宅の在り方を軸に、ドイツの先進住宅と日本との対比、国の住宅政策、断熱システム、地熱の活かし方など多岐にわたり、とても勉強になりました。ありがとうございました。

from Editor

ご夫妻 磯田会長ご夫妻 磯田会長 ご同行いただいたイソダの磯田会長は家づくりについて、 「“家は大工が建てるもの"が親父の口癖でした。親父は、大工連中が、図面と違う仕事をしたのを見つけると壊してくるほどの厳しい人で、大工として自信と誇りがありました。」
旧家の部材を再利用することには「家を壊すのは、重機を用いれば、簡単ですが、部材を再利用し活かすためには、次にどう使うかを考えた上で、慎重に分解することが必要です。それには職人の知識と経験が絶対に必要です。この家は、耐震工法とソーラーサーキットなどの新しい技術と90年実績を誇るイソダの伝統とノウハウの結晶だと思います。さらに工学博士のN様に喜んでいただいたけたのは、自信にもなりますし、大工冥利につきます。」少年のようなキラキラした会長の笑顔が印象的でした。

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