家族が集う家を再び~2度目のソーラーサーキットの家~

お施主様のお宅訪問

2018.12.13

家族が集う家を再び
~2度目のソーラーサーキットの家~

震災によって避難生活を余儀なくされたIさん。家族が集える家をもう一度――。選んだのはやはりソーラーサーキットの家でした。

宮城県仙台市
Iさんの家

2015年に新築したIさんの家は、まず土間が生かされた広々とした玄関が出迎えてくれます。

1階には畳敷きの小上がりを設けたリビング、ダイニング、キッチンなど水回り、床の間をしつらえた和室と、襖を開ければ和室と続き間にできる洋室。これらすべての部屋が中央に配置された階段を中心にして、ぐるりと中廊下でつながっています。1階のどこにいても外光が届き、明るい開放感が感じられます。

屋根裏収納にはIさんの趣味の本などが書棚におさめられています。小ぶりの座卓もあり、時には落ち着いた図書スペースになるのでしょうか。

快適な住まい、生活を求める気持ち

この家を建てたIさんは東日本大震災で被災し、ソーラーサーキットの家を建てるのは今回が2度目。以前の家は、地区内のほぼ全棟が大津波で流されてしまった場所にありました。
Iさんは「津波で周囲の家は流されてしまったのに、自分の家だけは流されなかった」と当時の様子を振り返ります。

震災後、新たに設けられた集団移転用地に今回の家を建てる際、資金の負担などを考慮して、どんな家にするのか、どの工務店に建築してもらうのかをゼロベースから検討したそうです。そして最終的に選んだのは前回と同じ、ソーラーサーキットの家を建てる地元の大東住宅。
「前の家のときにも、何かあればすぐに来て対応してくれた。それに、やっぱり外断熱。冬もいいけど、夏がいいんだよ」とにっこり。

夏場は、ソーラーサーキットの「二重通気」が家を冷ましてくれるので、うんざりするような暑さに悩まされることはないそうです。2018年は最高気温が35℃以上を記録する猛暑日が各地で何日も観測された厳しい夏でした。「エアコンはあまり使わない」というIさんもさすがに暑いと感じたそうで、日中はエアコンを使うことがあったようです。夜は就寝前に、寝室のエアコンで部屋をある程度冷やしておけば、寝苦しさを感じることなく眠れたそうです。

また、取材にうかがった10月上旬になると、この地域では暖房を使い始める家庭もあるようですが、Iさんの家ではめったに暖房機器を使うことはないそうです。奥さまは、ご近所で交わされる「今朝はちょっと冷えたわね」といった、お天気の話題にピンとこないこともあるとか。

新たな出会いと生きがいを、この家で育む

1階の洋間は、手芸が得意な奥さまが主に使う場所。洋間の壁には、奥さまの手仕事で仕上げられた民芸品である「さるぼぼ」の吊るし飾りや、可愛らしいお人形がたくさん飾られていました。地域で開催される手づくり市で販売もしているそうです。

もともと手芸が好きだったという奥さま。さるぼぼ作りは震災後、避難所の仲間の方々と始められたそうです。その活動が盛んになり、今では地元で催される手づくり市に出店するほどになったのです。
色とりどりの生地を生かして作られた大小さまざまな吊るし飾りは手づくりの温もりが感じられます。

活動を始めてから5年以上が経ち、生地の量と種類も増えました。それらをストックしておくのがもう1つの屋根裏スペース。生地には着物を仕立てるのに使うような絹織物も含まれます。気温と湿気が気になるところですが、外断熱の家では、屋根裏も温度や湿度が他の部屋とほとんど変わらないので、生地が傷む心配を軽減できます。
Iさんのお宅には24時間換気システムに除湿ユニットを組み合せた「リフレア」も備えているので、家の中でジメジメした空気を感じることもほとんどないとか。

穏やかな時を刻む場所

Iさんが具体的な間取りをイメージするにあたり参考にしたのは、仙台市泉区にある通称「社長の家」です。実は、大東住宅の高橋社長の実際の住まいで、ソーラーサーキットのモデルハウスでもあります。
Iさんが社長の家を見て特に気に入ったのが、小上がりのある畳リビング。広々としたLDKの空間でありながら、一段高い小上がりでアクセントがつけられたことで、畳スペースがまた別の空間として感じられ、ホッとする心地になるのはなぜでしょうか。
「ごろんと、できるからねぇ」とIさん。

Iさんのこだわりは縁側にもありました。和室に沿わせた縁側に座って、日向ぼっこをすれば、のんびり、気持ちも安らぎそうです。
雨天のときには洗濯物を干す場所としても活躍し、除湿ユニットの効果もあるのかもしれませんが、厚手のものでなければ、その日のうちに乾くそうです。

震災から4年を経て再び家を新築したIさん。将来のこと、資金のこと、いろいろなことを考えましたが「家があれば子どもたちも帰ってこられて、家族が集まれる」と建築を決意したそうです。でも「人の考えや思いはそれぞれだからね…」と、被災したすべての人が満足のいく生活ができているわけではない現実に目を向けられていました。

感慨深い様子で語るIさんと傍らでうなずく奥さま。困難を乗り越え、お二人が建てたこの家は、家族が再び集う「家」なのです。

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