2023.09.04家探しの知識

【プロが伝授】土地探しで大事なこと3選!事前準備・探し方・チェックポイントまでまるっと解説

土地選びは、マイホームの満足度を左右する重要なポイントのひとつです。しかし、土地探しの経験がないと「どうやって探せばいいの?」「探し方のコツはある?」など疑問が尽きませんよね。そこで本記事では、土地探しの初心者に向けて以下の内容を解説します。
  • 土地探しの事前準備
  • 土地を探す方法
  • 土地探しで大事なこと
良い土地を見極めるチェックポイントも紹介するので、土地を探している方はぜひ参考にしてください。


土地探しにかかる期間は4~12ヶ月程度

土地探しにかかる期間は、一般的に4ヶ月〜12ヶ月程度と言われています。しかし、希望条件や予算、タイミングなどによって、実際にかかる期間はさまざまです。平均よりも短い期間で土地探しを終えた人もいれば、2年以上探してようやく納得できる土地に出会えたという方もいるため、スケジュールに余裕を持って土地探しを始めると良いでしょう。



土地探しをはじめる前にエリア・予算・条件を整理

土地を探し始めたものの、なかなか良い土地が見つからず「つらい」「やめたい」と疲れ果ててしまう方も珍しくありません。スムーズに土地探しを進めるためには、事前準備が大切です。土地探しを始める前に、家族で話し合って以下の項目を整理しておきましょう。
  1. エリア
  2. 予算
  3. 希望条件
それぞれについて詳しく解説します。

1. エリアを決める

まずは、住みたいエリアを決めましょう。マイホームの場所は簡単には変えられません。だからこそ、住み始めてから後悔しないように慎重に判断する必要があります。
 
たとえば、勤務先や学校へのアクセスはどうか、駅やスーパー、病院、公園などのよく利用する施設へ行きやすいかは重要なポイントです。ほかにも、暮らしやすさや街の雰囲気、治安、交通量など、自分たちが重視するポイントを加味して判断すると良いでしょう。
 

2. 土地の予算を決める

総予算の中から、土地にかけられる金額の配分を決めましょう。注文住宅を建てるには、土地代のほかに建設工事費、各種諸費用などがかかります。
 
よくある失敗例として、建設工事費や諸費用を考えずにとりあえず土地を購入してしまい、「建物の予算を大幅に削るしかなかった」「結局すぐに土地を手放すことになった」というケースもあるので注意が必要です。
 

4. コミュニケーションがとりやすい

担当者とのコミュニケーションがとりやすいかも重要なポイントです。人対人ですから、相性が合わないこともあるでしょう。しかし、家づくりの打ち合わせは一度や二度ではありません。 「家を建てるまでの我慢」と思うかもしれませんが、連絡の頻度が合わない、細かいニュアンスが伝わらないといったことを積み重ねるとストレスが溜まります。せっかくの家づくりで残念な気持ちにならないためにも、担当者との相性は大切なポイントです。
 

3. 希望条件に優先順位をつける

土地に求める希望条件をリストアップしたら、さらに優先順位をつけていきましょう。よく「100点満点の土地は存在しない」と言われるとおり、すべての希望条件を満たす土地は滅多に現れません。事前に絶対に譲れない点、妥協できる点を話し合っておけば、いざ土地の購入を迷った際の判断に役立つでしょう。

 

土地探しの方法は大きく4通り

土地探しの方法は、大きく以下の4通りです。

  • インターネット・情報誌
  • 不動産会社
  • 建築会社
  • 現地に足を運ぶ
それぞれの特徴は以下のとおりです。

方法 特徴
インターネット・情報誌 土地や不動産の情報検索サイト、地域の情報誌、チラシなどで情報を得る方法。希望エリアの土地相場を知る際にも便利。
不動産会社 不動産会社に土地を紹介してもらう方法。インターネットには載っていない情報が得られる可能性がある。不動産会社によって扱っている土地が違うケースもあるため、複数社で探すのがおすすめ。
建築会社 建築を依頼する会社に、土地探しもお願いする方法。その他の方法よりも手間が少ない。住宅のプロの目線でアドバイスをもらえる。
現地に足を運ぶ 希望エリアに足を運び、売り地や空き家を探す方法。生の情報が得られる半面、土地が見つかるとは限らないため非効率になりやすい面も。

複数の方法を併用するなどして、土地探しを進めると良いでしょう。

 

失敗しない土地探しのコツ3選

土地探しで失敗しないために押さえておきたいコツは以下のとおりです。
  1. 先に建築会社を決める
  2. 現地を確認する
  3. 本気度を伝えて紹介の優先度をあげてもらう
それぞれを詳しくチェックしてみましょう。

1. 先に建築会社を決める

土地探しを始める前に、建築会社を決めておくのがおすすめです。「土地が先じゃないの?」と思うかもしれませんが、建築会社を先に決めておくことで、以下のようなメリットがあります。
  • 建築費用を考慮して土地を選べるので総予算がオーバーしにくい
  • 「理想とする家がその土地で実現できるか」を購入前に相談できる
ただし、予算や建物よりもとにかく土地そのものやエリアを重視する場合は、土地を先に探し始めても良いでしょう。

2. 現地を確認する

これはと思う土地を見つけたら、最低でも1回は現地を確認するために足を運びましょう。その土地の空気感や臭い、音、振動など、データや写真だけではわからない情報があります。
 
可能であれば朝、昼、晩や雨天など、時間帯や天候、曜日などの条件を変えて、複数回見に行ってみることをおすすめします。
 

3. 本気度を伝えて紹介の優先度をあげてもらう

 不動産会社や建築会社に土地探しを依頼する場合は、担当者に本気度を伝えて優先順位を上げてもらうのもひとつのテクニックです。
 
「〇ヶ月以内に家を建てたい」「予算は〇〇円くらいで探している」など、具体的な情報を提示できると本気度が伝わりやすいです。
 
本気度を伝えて紹介の優先度をあげてもらうことができれば、インターネットに掲載される前に土地の情報を回してくれるかもしれません。


 

土地を見る際のチェックポイント6選

 土地の良し悪しを判断する際の主なチェックポイントは以下のとおりです。
  1. 立地
  2. 土地の形
  3. 土地の方角
  4. 境界線
  5. 災害リスク
  6. 追加費用の可能性の有無
それぞれのポイントを詳しく解説します。

1. 立地

 立地といえば通勤先や学校をはじめ、駅やスーパー、病院などよく利用する施設へのアクセスの良さが思い浮かぶかもしれません。しかし、それだけではなく、以下のようなポイントにも注意が必要です。
  • 耐えられないほどの臭い、騒音、振動はないか
  • トラブルに発展しそうな近隣住民はいないか
  • 許容できない嫌悪施設(墓地、風俗店、工場など)がないか
実際に生活していくなかで、上記はストレスになりやすいポイントです。また、意外と見落としがちな点として、ゴミ捨て場との距離もチェックしておくと良いでしょう。


2. 土地の形

 土地の形は、大きく正方形や長方形の「整形地」と、三角地や旗竿地などの「不整形地」の2種類にわけられます。
 
一般的に、整形地は需要が高いため値段も高く、売却時にも売れやすい傾向があります。一方で、不整形地は需要が低いため、整形地と同じ面積であっても安く購入できる点がメリットです。
 
不整形地は利用しづらいイメージがあるかもしれませんが、理想の間取りや暮らしによっては整形地よりも不整形地のほうが叶えやすい場合もあります。土地の形の良し悪しではなく、「そこに理想の家は建てられるか?」という視点で見てみると良いでしょう。
 

3. 土地の方角

 「家は南向きが良い」というイメージがあるかもしれません。しかし、南向きには家が明るい、洗濯物が乾きやすいといったメリットがある半面、価格が高め、家具や壁が日に焼けやすいなどのデメリットもあります。

同様に、それぞれの方角にもメリット・デメリットの両方があります。南向きだけにとらわれず、自分たちのライフスタイルに合った特徴を持つ方角を調べてみましょう。

4. 境界線

 境界線がはっきりしていない場合、隣の土地の所有者と境界をめぐってトラブルになる可能性があります。たとえ塀などで仕切られていても、それが正しい境界線とは限らないので注意が必要です。隣との間に下図のような「境界標」がある場合は、それが目印となります。

 目印がない場合は、法務局の登記情報で確認する、測量士や土地家屋調査士といった専門家に依頼するなどして、境界線の有無を確認しておくと安心です。なお、明確な境界がない場合は、境界を確定させるために30~80万円程度の費用が必要になるケースもあります。

5. 災害リスク

 土地の災害リスクは、ハザードマップで確認できます。ハザードマップとは、洪水や土砂、高潮、津波などの自然災害時に、被害が及ぶ範囲や程度を予想して可視化した地図のことです。各自治体のホームページ、または国土交通省の「ハザードマップポータルサイト」から確認できます。
 
候補の土地がハザードエリア内にあった場合は、どのようなリスクがあるのか、万が一に備えてどのような対策ができるのかを考慮したうえで購入を判断すると良いでしょう。
 

6. 追加費用の可能性の有無

 「安い」と思って購入した土地でも、追加工事が必要で思わぬ費用がかかるケースがあります。
 
たとえば、土地の地盤が弱い場合は数十万〜百万円程度の改良工事が必須です。また、前面道路と高低差がある場合は盛土や擁壁(ようへき)の造形工事が必要となります。
 
電気、ガス、水道などのライフラインが整備されていない場合も、引き込み工事の費用がかかるため注意しましょう。土地の価格だけでなく、おおよその追加工事費用も含めたトータル価格で判断することが大切です。


 

まとめ

土地探しでは、100点の土地ではなく「納得できる土地」を探すことが大切です。満点の土地を追い求めると、いつまで経っても土地の購入が難しくなります。そうならないために、土地探しにかける期間を決めておくのも良いでしょう。
 
なかなか良い土地に出会えない場合は、エリアや細かい希望条件を広げる方法が有効です。候補の土地が見つかったら、自分たちで現地を見に行くのはもちろん、不動産会社や建築会社のプロの視点からアドバイスをもらい、問題点がないかを確認しましょう。