2023.09.04家探しの知識

太陽光発電で電気代をタダにできる?光熱費を節約してお得に暮らそう!

「太陽光発電にしたら電気代はタダになるの?」と疑問をお持ちではありませんか。結論から言うと、太陽光発電システムだけで毎月の電気代をタダにするのは難しいです。しかし、工夫次第で電気代を実質0円にすることは不可能ではありません。そこで本記事では、以下の内容を紹介します。
  • 太陽光発電で電気代が節約できる理由
  • 太陽光発電と相性の良い節約方法
光熱費を節約するために太陽光発電パネルを設置するべきか迷っている方は、ぜひ本記事を参考にしてください。



【結論】電気代0円は難しいが節約は可能

結論から言うと、太陽光発電システムだけで毎月の電気代をタダにするのは難しいです。なぜなら、電気代には電力の使用量に応じてかかる料金のほかに、使用量に関わらず請求される「基本料金」が設定されているからです。
 
また、太陽光発電システムはパネルに日が当たる日中しか使用できません。蓄電システムがなければ電気を溜めておくことができないため、夜間や日射量が十分でない日に電気を使う場合は、電力会社から買い取る必要が出てくるでしょう。
 
しかし、太陽光発電システムによって電力会社から買う電力量を抑える効果が期待できるため、電気代を節約することは十分に可能です。


 

太陽光発電で電気代が節約できる理由3選

太陽光発電によって電気代が節約できる理由は、以下のとおりです。

  1. 買電量を減らせるから
  2. 電気の単価を安くできるから
  3. 再エネ賦課金の負担を軽くできるから
それぞれの理由を詳しくチェックしてみましょう。

1. 買電量を減らせるから

通常、電気を使うためには電力会社から電気を買い取る必要があります。しかし、太陽光発電システムを設置していれば「自家消費」と言って、生み出した電力を家庭で使うことができます。結果として、電力会社から買い取る電気の量を減らせる可能性が高くなるでしょう。
 
電気料金は使用した電力量によって金額が変わる従量課金型なので、買い取る電力量が減れば、月々の電気代も安くなるというわけです。
 
また、家庭用の太陽光パネルを導入した場合、自家消費しきれずに余った電力は売電できます。これによりかかった電気代を売電収入で相殺できれば、電気代を実質0円にすることも不可能ではありません。
 

2. 電気の単価を安くできるから

一般家庭で普及している「従量電灯」プランの場合、月々の電気代は電力使用量によって決定されます。たとえば代表的なプランである東京電力の従量電灯Bの場合、1kWhあたりの料金は使用量に応じて以下の3段階にわかれています。


  電力使用量 1kWhあたりの料金(税込)
第1段階料金 最初の120kWhまで 30円00銭
第2段階料金 120kWhをこえ300kWhまで 36円60銭
第3段階料金 上記超過 40円69銭

※料金は2023年8月時点のものです。
参照:東京電力エナジーパートナー『料金単価表‐電灯(従来からの料金プラン)』

自家消費によって電力使用量を減らすことができれば、1kWhあたりの料金が安い段階料金になることになり、電気代の負担を軽くできる可能性があるでしょう。
 

3. 再エネ賦課金の負担を軽くできるから

再エネ賦課金(ふかきん)は「再生可能エネルギー発電促進賦課金」の略で、電気料金の一部として毎月請求される費用です。
 
再生可能エネルギーの普及を目的とした「FIT制度(固定価格買取制度)」によって、再生可能エネルギーの買い取りにかかったコストは消費者が負担する仕組みになっています。この負担金に該当するのが再エネ賦課金です。
 
再エネ賦課金は「再賦課金単価×電力使用量」で計算されます。そのため、太陽光発電システムによって電力使用量を減らすことができれば、再エネ賦課金の負担も軽くなります。

 

太陽光発電で光熱費を抑える工夫5選

ここからは、家づくりで一番ボリュームのあるステップです。大きなお金が動き始める時期でもあります。具体的な流れは以下のとおりです。
  1. 省エネ家電を導入する
  2. 電気料金プランを見直す
  3. 蓄電池やEV車、PHEV車と併用する
  4. オール電化住宅にする
  5. 断熱性・気密性の高い住宅工法を採用する
それぞれの方法について詳しく解説します。

1. 省エネ家電を導入する

トータルの光熱費を抑えるためには、省エネ家電の導入も有効です。たとえば、古い電化製品を新しくするだけでも大幅な節電効果が期待できます。一般財団 法人 家電製品協会によれば、代表的な電化製品を10年前の製品と比べた場合の省エネ率は以下のとおりです。

  省エネ率 年間でお得になる電気代
エアコン 約15% ※1 約4,120円
冷蔵庫 約35~42% ※2 約4,560~6,110円

参考:一般財団法人 家電製品協会『2023年版スマートライフおすすめBOOK』

※1
● 冷暖房兼用・壁掛け形・冷房能力2.8kWクラス
● 期間消費電力量:2012年はJIS C 9612:2005、2022年はJIS C 9612:2013に基づいて測定された試算値です。(地域、 気象条件、使用条件などにより、 値は変わります)。
※2012年はクラス全体の単純平均値、2022年はクラスの省エネタイプ(多段階評価★3.0以上)の単純平均値(小数点以下四捨五入)。
出典:経済産業省 資源エネルギー庁 省エネ性能カタログ(2012年冬版/2022年版)
※年間電気代は、一般財団法人 家電製品協会が、期間消費電力量に電力料金目安単価*31円/kWh(税込)を乗じて算出した目安です。
*電力料金目安単価:公益社団法人全国家庭電気製品公正取引協議会(2022年7月22日改定)
※このデータは特定エアコンの消費電力量や電気代を保証するものではありません。

※2
●年間消費電力量は、一定の条件下で行われた試験結果をもとに算出した目安です(2012年はJIS C 9612:2005、2022年はJIS C 9801-3:2015による)。
※年間電気代と年間消費電力量は「しんきゅうさん」のデータにて一般財団法人 家電製品協会が試算した数値です。
※このデータは特定冷蔵庫の年間消費電力量や年間電気代を示したものではなく、消費電力量や電気代を保証するものではありません。
 

エアコンや冷蔵庫は家庭で使用する電化製品の中でも電力使用量が大きいため、新しい家電に買い替えるだけでも節約効果を実感しやすいでしょう。

2. 電気料金プランを見直す

電気プランには24時間料金が変わらないプランと、時間帯によって料金が安くなるプランがあります。太陽光発電システムを設置している場合、夜間や深夜に電気料金が安くなるプランと相性が良いため、見直しを検討してみると良いかもしれません。
 

3. 蓄電池やEV車、PHEV車と併用する

蓄電池やEV(電気自動車)、PHEV車(プラグインハイブリット車)と併用すれば、太陽光発電システムで生み出した電気を溜めておくことができます。夜間や天候の悪い日など、太陽光発電が使えない場面でも溜めておいた電力で自家消費が可能です。

また、電力会社から買い取った電気を溜めておくこともできます。夜間・深夜の電気料金が割引されるプランであれば、電気代が安い夜間の電力を溜めておくと節約につながりやすいでしょう。

 

4. オール電化住宅にする

オール電化住宅とは、家庭で必要になるエネルギーをすべて電力でまかなう住宅を指します。通常はガス代や燃料費がかかりますが、オール電化にすることでこれらの費用を電気代に置き換えることが可能です。これにより、太陽光発電で生み出した電気の自家消費率を高めることができるでしょう。

5. 断熱性・気密性の高い住宅工法を採用する

光熱費を抑えるためには、太陽光発電システムだけに頼るのではなく、トータルの光熱費を抑える工夫が必要です。そこで、これからマイホームを建築予定の場合は、断熱性・気密性の高い工法を採用するのもひとつの方法です。
 
断熱性・気密性に優れた住宅は外気温に関わらず快適な室温を保ちやすいため、エアコンの消費量を抑えられます。特に、暑い時期や寒い時期はエアコンの電力消費量が増えて光熱費も高くなる傾向があるので、優れた住宅性能の節約効果を感じやすいでしょう。

 

まとめ

太陽光発電システムによって、電力会社から買い取る電力量の削減が期待できます。電気代は金額が使用量に左右されるため、太陽光発電で生み出した電力を自家消費することで、月々の電気代の負担を軽くできる可能性が高いと言えるでしょう。
 
また、最新家電を導入する、電気プランを見直すなどの工夫で、さらに電気代を抑えられる可能性があります。これからマイホームを建てる予定の方は、断熱性・気密性の高い工法を採用することで、エアコンの電力消費量を抑える方法も検討してみてはいかがでしょうか。