2023.10.05家を建てるなら

2階リビングって実際どう?向き不向きやメリット・デメリット・対策を徹底解説!

近年、都市部や住宅密集地ではLDKを2階に設ける「2階リビング」が注目されています。しかし、2階リビングに馴染みがないと「不便じゃない?」「階段の上り下りが大変そう」「老後はどうするの?」とさまざまな心配事が浮かんでしまいますよね。

そこで本記事では、2階リビングが気になっている方に向けて以下の内容を解説します。
  • 2階リビングが向いている人・いない人の特徴
  • メリット・デメリット
  • 2階リビングにする際の注意点
2階リビングを採用してもいいのか悩んでいる方は、ぜひ本記事を参考にしてください。

2階リビングが向いている人・向いていない人の特徴は?

2階リビングは家づくりの可能性を広げる選択肢ですが、誰にでもおすすめできるわけではありません。2階リビングが向いている人の特徴は以下のとおりです。

  • 狭小地・住宅密集地に家を建てる
  • 目の前に道路があり外からの視線が気になる
  • 1階リビングにすると風通し・日当たりが悪くなる
狭小地・住宅密集地では、1階にリビングを設置すると日が当たらない、外からの視線が気になるといった問題が発生しやすいです。ただし、このような問題はリビングを上階にすることで解消できる可能性があるため、上記に当てはまる方は2階リビングを検討してみると良いでしょう。

一方で、2階リビングは足腰の不自由な高齢者や身体的に制約のある方がいる家庭には向いていません。1階リビングの家と比べて階段の上り下りが多く発生するため、日常生活で不便を感じやすいでしょう。

2階リビングのメリット5選

2階リビングのメリットは以下のとおりです。
  1. 日当たり・風通しを良くしやすい
  2. 眺望を活かしやすい
  3. 外からの視線が気にならない
  4. 天井を高く設計しやすい
  5. 耐震性を高めやすい
それぞれのメリットをチェックしてみましょう。
 

1. 日当たり・風通しを良くしやすい

周辺環境によっては、1階にリビングを設置すると日が当たらず日中でも部屋が暗い、風通しが悪いなどの問題が発生することがあります。特に、狭小地や住宅密集地では風通しや日当たりを確保するのが難しい場合が多いです。

そのようなケースでは、リビングを2階にすることで自然光や風を取り入れやすくなるため、日当たりや風通しの問題を解消できる可能性があるでしょう。
 

2. 眺望を活かしやすい

景色に恵まれた立地の場合、2階リビングなら眺望を活かしやすいです。周囲に視界を遮るものが多いと、1階リビングでは十分に景色を楽しむことが難しい場合があります。
リビングを2階にすることで視線が高くなるため、遮るものが減り、見晴らしが良くなる効果が期待できます。

2階リビングであれば通行人と目が合う可能性が低いため、人目を気にせずにくつろぎやすい空間を作りやすくなります。
 

3. 外からの視線が気にならない

1階リビングの場合、位置によっては外からの視線が気になる場合があります。1階のリビングに自然光が入る大きな窓をせっかく造ったのに「通行人の視線が気になってカーテンを開けられない」といった場合もあります。

2階リビングであれば通行人と目が合う可能性が低いため、人目を気にせずにくつろぎやすい空間を作りやすくなります。
 

4. 天井を高く設計しやすい

2階リビングの場合、屋根の傾斜を利用して天井を高く設計しやすいです。高い天井は室内を広く、開放的にみせてくれます。

「圧迫感があるのが苦手」「限られたスペースを広くみせたい」という方は、2階リビングで開放的な空間を確保できる可能性があるでしょう。
 

5. 耐震性を高めやすい

2階リビングは耐震性を高めやすいです。リビングのように広い空間がある階と比べて、個室を設置する階は壁が多くなる傾向があります。

そのため、2階をリビングにすると個室や寝室が造られる1階は必然的に壁が増える設計になるため、耐力壁という耐震上で重要な壁が作りやすく、建物が安定しやすいと言えるでしょう。  

2階リビングのデメリット3選と対策

2階リビングのデメリットは以下のとおりです。
  1. 階段の上り下りが多く発生する 子どもの様子を把握しづらい
  2. 夏場はリビングの気温が上がりやすい
  3. 階段の上り下りが多く発生する おりです。
それぞれのデメリットを詳しくみてみましょう。

1. 子どもの様子を把握しづらい

2階リビングにする場合、子ども部屋は1階に配置されるケースが多いです。子どもはリビングを通らずに玄関から自室に直行できてしまうため、出入りに気付かない可能性があります。

特に子どもが思春期になると、リビングに集まる習慣がないと顔を合わせる機会が減るかもしれません。対策としては、
  • ドアベルなどで人の出入りがわかるように工夫する
  • 子ども部屋を2階にする
  • 浴室・トイレ・洗面所などの水回りを2階に集約する
などが考えられます。

2. 夏場はリビングの気温が上がりやすい

2階リビングは夏場に暑くなりやすいです。主な理由は3つあります。
  • 空気の性質上、暖かい空気が上に溜まりやすい
  • 窓からの直射日光を受けやすい
  • 屋根からの熱が伝わりやすい
ただし、上記の問題は家づくりの工夫によって対応することが可能です。

たとえば、家全体をすっぽりと包み込む外断熱と、建物の熱を通気で排出する仕組みを持ち合わせた工法を採用すれば、熱籠りしにくい空間を作りやすくなります。また高気密な工法を採用することで、エアコンで冷やした冷気が逃げにくくすることもできます。そうすれば、夏場であっても2階のリビングで快適な空間がやすいでしょう。
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そのほかにも、夏の日差しを遮る庇(ひさし)をつけたり、窓の配置や大きさを工夫したりして、気温の上昇を和らげる方法もあります。
 

3. 階段の上り下りが多く発生する

2階リビングは、1階リビングに比べて階段の上り下りの頻度が高くなる傾向があります。食材や日用品などの重いものを持って上り下りするのは意外と大変です。対策としては、
  • なるべく移動距離を短くする
  • 階段の造りを工夫する
などが挙げられます。

たとえば、階段を1階玄関と2階キッチンをつなげるように設置すると、食材の買い物から帰ってきた際の移動距離を短くできます。

また、階段の幅や傾斜、段数、踊り場の形状などを工夫して、上りやすい、踏み外しにくい、落ちても踊り場で止まれるなどの対処をしておくことで、上り下りの負担や事故のリスクを軽減できるでしょう。

2階リビングにする際の注意点

2階リビングにする際の注意点は以下のとおりです。
  1. 老後を見据えた計画を立てる
  2. 大型家具の搬入経路に注意する
それぞれの注意点を詳しくみてみましょう。
 

1.老後を見据えた計画を立てる

2階リビングの不安要素として挙げられるのは、老後の生活です。足腰が弱まると階段の上り下りが困難になるため、生活に不便を感じやすいです。いざ1階リビングにリフォームしようとしても、場合によっては大規模な改修や建て替えが必要になる可能性もあります。

とはいえ、老後のために現在の住みやすさを諦めるのはもったいない気がしますよね。「2階リビングに魅力を感じるけれど老後が心配…」という方は、対策として将来的に家庭用エレベーターを設置できるスペースを用意しておく、昇降機を取り付けられる階段にしておくなどの工夫をすると安心材料になります。

家を子どもに譲って自分たちは住み替えたり、最初から建て替えを視野に入れておいたりするのも良いでしょう。

2.大型家具の搬入経路に注意する

大型家具の搬入経路を確保しておきましょう。階段の幅や形状によっては、玄関からの搬入が難しいケースがあります。その場合、人力やクレーンなどで吊り上げて窓から搬入する必要が出てきます。吊り上げる方法によって料金が加算されるため、通常よりも多く費用が発生する可能性があるため注意が必要です。

また、周辺環境によってはクレーンの対応が難しい、そもそも2階に大型家具を搬入できるサイズの窓がなくて搬入ができないなどのトラブルもありえます。後悔しないためにも、あらかじめ搬入経路のことを考えておきましょう。  

まとめ:2階リビングを選択肢に入れて家づくりの可能性を広げよう

2階リビングには、日当たりを良くしやすい、眺望を活かしやすい、外からの視線が気にならないなどのメリットがあり、狭小地や住宅密集地などで選ばれています。また、屋根の傾斜を利用して縦の空間を広くできるため、開放的な空間を設計しやすいです。

一方で、日常的に階段の上り下りが発生する、子どもの様子が把握しづらいなどの点には対策が必要です。夏場は暑くなりやすいため、住宅の断熱性や気密性にも目を向けると良いでしょう。