2023.10.06家を建てるなら

平屋の新築一戸建てが人気の理由は?意外と知らないデメリットや注意点を徹底解説!

平屋に憧れるものの「2階建てにすれば良かったと後悔しないか不安」「どんなメリット・デメリットがあるの?」「平屋を建てる際の注意点を知りたい」とお悩みではありませんか。そこで本記事では、平屋が気になっている方に向けて以下の内容を解説します。
  • 平屋が人気の理由
  • 平屋のメリット・デメリット
  • 平屋を建てる際の注意点
平屋にするべきか迷っている方は、ぜひ本記事を参考にしてください。

平屋の新築着工棟数はここ10年で2倍近くに

 近年、平屋は高齢者世帯だけでなく、若者夫婦や子育て世帯からの注目も集まっている住宅様式です。国土交通省の建築物着工統計によれば、2022年の平屋の着工棟数は57,022件でした。2012年は30,604件だったので、ここ10年ほどで2倍近くに増加していることがわかります。

人気の背景には、和モダンやカリフォルニアスタイルなどのデザイン性に優れた平屋が増えている点、高級なイメージのある平屋に住むことが一種のステータスになっている点などが挙げられます。また、終の棲家として、老後を見据えた無駄のない設計にしたいと考えている人が増えたこともひとつの要因と言えるでしょう。

参考:国土交通省『建築物着工統計』

平屋の新築一戸建てに住むメリット4選

平屋に住むメリットは、以下のとおりです。
  1. ワンフロアで生活できる
  2. デザインの自由度が高い
  3. 太陽光パネルを多く設置できる可能性がある
  4. メンテナンス費用を抑えられる可能性がある
それぞれのメリットを詳しくみてみましょう。
 

1. ワンフロアで生活できる

平屋はワンフロアで生活できるため、以下のような利点があります。
  • バリアフリー化しやすい
  • 家事の負担を少なくできる
  • 家族の気配を身近に感じられる
階段の上り下りが発生しないため、移動や家事の負担の軽減が期待できます。また、足腰が不自由な高齢者でもすべてのスペースにアクセスしやすく、さまざまな世帯にマッチしやすい間取りと言えるでしょう。

2. デザインの自由度が高い

平屋は上の階を支える必要がないため、2階建て住宅に比べて間取りの制約が少ないです。階段のスペース等も不要で、内装・外観共にカスタマイズしやすいため、デザインの自由度が高いと言えるでしょう。
 

3. 太陽光パネルを多く設置できる可能性がある

同じ延床面積の2階建て住宅と比較した場合、平屋のほうが屋根の面積が大きくなる傾向があります(下図参照)。
 
そのため、その分だけ太陽光パネルを多く搭載できる可能性があります。太陽光パネルの大きさに比例して発電量も大きくなるため、光熱費の節約や売電収入にもつながりやすくなるでしょう。

ただし、周辺環境によっては十分な発電量を得られない可能性もあります。設置場所や角度については、住宅会社とよく相談すると良いでしょう。
 

4. メンテナンス費用を抑えられる可能性がある

 平屋は2階建てに比べて以下のような特徴があり、トータルのメンテナンス費用を安く抑えられる傾向があります。
  • 足場が不要なケースが多い
  • 外壁の面積が小さめ
  • 建物に負荷がかかりにくい
通常であれば、外壁や屋根のメンテナンスを行う場合は足場を組む必要があります。一方で、平屋は足場が必要ないケースも多く、その分の費用を抑えられる可能性があります。

また、屋根の面積は平屋のほうが大きくなりやすいものの、外壁の面積は2階建てに比べて小さめです。よって、外壁塗装の費用の削減にもつながるでしょう。
 

平屋の新築一戸建てに住むデメリット5選

平屋の新築一戸建てに住むデメリットは、以下のとおりです。
  1. 風通し・日当たりの確保が難しい場合がある
  2. プライバシーの確保が難しい場合がある
  3.  敷地面積が広くなりやすい
それぞれのデメリットを詳しくみてみましょう。
 

1. 風通し・日当たりの確保が難しい場合がある

平屋はワンフロアで間取りを完結させるため全体の面積が広くなりやすく、風通しや日当たりの確保が難しい場所が出てくる可能性があります。そのため、間取りや窓の位置などは、住宅会社とよく話し合って検討することをおすすめします。

日当たりや風通しは、間取りや窓の位置を工夫したり、中庭を造ったりすることで解消できる可能性があるでしょう。
 

2. プライバシーの確保が難しい場合がある

平屋の場合、プライバシーの確保が難しい場合があります。家族の気配が身近に感じられるのはメリットである半面、個室からも音や光が漏れやすいので、特に子どもが成長すると気になる可能性があるでしょう。子ども部屋との間に廊下を設置するなど、対策を考える必要があるかもしれません。

また、近隣に2階建ての住宅がある場合、上から見下ろしやすく視線が気になる可能性があります。人通りがある道路に面している場合も、通行人の視線が気になりやすいため、目隠しなどの対策が必要になるでしょう。

3. 敷地面積が広くなりやすい

家族構成にもよりますが、ワンフロアで完結する平屋は、2階建てに比べて広い敷地面積が必要になりやすいです。敷地面積が広くなることで、2階建てと比較した際に以下のような問題が発生する可能性があります。
  • 土地代が高くなる
  • 固定資産税の金額に影響する
  • 基礎や屋根の面積が増えて建築コストが高くなる
複雑な造りにすると建材の量も増えて建築コストがかさむため、シンプルな造りにしたり、縦の空間を活かして床面積を抑えたりすると良いでしょう。

また、屋根は形状によって面積を小さくする工夫ができます。無駄な部屋をつくらない、廊下を極力なくすなど、コストダウンの工夫はいろいろあるので、取り入れてみると良いでしょう。

平屋の新築一戸建てを検討する際の注意点

平屋の新築一戸建てを検討する際の注意点は以下のとおりです。

  • 水害リスクの低い土地を選ぶ
  • 断熱性能にも目を向ける
それぞれの内容を解説します。

水害リスクの低い土地を選ぶ

平屋を建てる際は、水害リスクの低い土地を選びましょう。平屋は重心が低く安定しているため、台風や地震などの災害には比較的強いといわれています。

一方で、水害の際に浸水しても垂直避難ができません。水害の恐れがある地域では、災害時の対応を話し合っておく必要があるでしょう。なお、水害リスクは、国や各自治体が発行しているハザードマップで確認できます。
 

断熱・気密性能にも目を向ける

平屋は生活スペースと屋根が近いため、断熱性能や気密性能が不十分だと屋根からの熱の影響を受けやすいです。また、空間が広いため、エアコンの効率が悪くなりがちです。

せっかく憧れの平屋を建てたのに「夏は暑くて冬は寒く、住みづらい」とならないように、住宅の断熱・気密にも目を向けると良いでしょう。

断熱性能と気密性能を高めることで、季節に関係なく快適な空間を維持しやすくなります。

まとめ

平屋の人気は年々高まっており、ここ10年で新築着工棟数は2倍近くに増加しています。その背景には、デザイン性に優れた平屋の登場や、階段の上り下りが発生しないことから老後も暮らしやすいイメージがあることなどが挙げられるでしょう。

ワンフロアで完結する平屋は、小さな子供や高齢者がいる世帯にもマッチしやすい間取りです。平屋に憧れている方は、デメリットや注意点も理解したうえで、検討してみてはいかがでしょうか。