2023.12.19家を建てるなら

二世帯住宅は間取り選びが重要!種類別のメリット・デメリットを徹底解説

「二世帯住宅ってそもそもどんな家?」「建てる際の注意点はある?」「いくつか種類があるみたいだけど、それぞれのメリット・デメリットを知りたい」などのお悩みはありませんか。そこで本記事では、二世帯住宅を検討中の方に向けて、以下の内容を解説します。
  • 二世帯住宅とは
  • 二世帯住宅の間取りの種類
  • 種類別のメリット・デメリット
二世帯住宅を検討している方は、ぜひ本記事を参考にしてください。

二世帯住宅とは

二世帯住宅とは、ひとつ屋根の下に親世帯と子世帯が暮らすことを前提につくられた家を指します。一口に二世帯住宅と言っても、ほとんどのスペースを共有する「同居」に近い形から、生活空間を完全に切り離した「別居」に近い形まで、生活スタイルは間取りによってさまざまです。


後悔しない二世帯住宅は間取り選びが重要

 二世帯住宅にして失敗したと思われている方の意見として、「家族の仲が悪くなった」「生活スタイルが違ってお互いにストレスが溜まる」というものがあります。せっかく二世帯住宅を建てたのに、お互いに気まずくなってしまったら居心地が悪いですよね。

二世帯住宅で後悔しないためには、間取り選びが重要です。親世帯と子世帯がそれぞれ気持ち良く暮らせるよう、以下に紹介する二世帯住宅の3つの間取りを押さえておきましょう。
 

二世帯住宅の間取りは3種類!特徴・メリット・デメリットを紹介

二世帯住宅の間取りは、以下の3つにわけられます。
 一口に二世帯住宅と言っても、お互いの生活がどの程度重なるかは間取りによって大きく変わります。そこで、ここからはそれぞれの間取りの特徴やメリット・デメリットを詳しく解説します。

1. ほぼすべてのスペースを共有する「完全同居型」

 完全同居型は、ほとんどのスペースを親世帯と子世帯が共有するスタイルです。玄関はもちろん、トイレやキッチン、浴室といった水回り、リビングなど、寝室を除いたほぼすべてのスペースを二世帯で共有します。実際の生活は、大家族でのにぎやかな暮らしをイメージするとわかりやすいでしょう。

全同居型のメリット
  • ほかの間取りと比べて建築費用を抑えやすい
  • お互いの生活が見えるのでフォローしやすい
  • 将来的に一世帯になったときに無駄な設備が生まれにくい
完全同居型の場合、トイレやキッチン、浴室などの設備をそれぞれに用意する必要がないため、その分だけ建築費用を抑えられます。設備を共有にすることで、将来的に一世帯になった場合にも使わなくなった設備を持て余すことがありません。光熱費の基本料金も一世帯分で住むため、そのほかの間取りにくらべて生活費を抑えやすいでしょう。

完全同居型のデメリット
  • プライバシーを確保しづらい
  • 間取りや設備で意見がぶつかる可能性がある
  • 生活リズムの違いがストレスになる場合がある
お互いの生活スペースが共有されるため、プライバシーの確保が難しい点はデメリットと言えるでしょう。また、間取り決めの際、世帯ごとで意見がぶつかる可能性があります。

お互いの存在が身近な分、生活リズムの違いがストレスになりやすいため、間取りの工夫やルール決めが必要になるでしょう。

2. 一部のスペースを共有する「部分共有型」

部分共有型は、完全同居型と完全分離型の中間に位置するスタイルです。具体的には、玄関やお風呂などの一部の設備を共有します。

部分共有型でよくあるパターンは、一部の設備を共有しつつ、1階は親世帯、2階は子世帯と生活空間をわけるスタイルです。なお、共有する設備は家族によって異なります。玄関のみを共有する場合も「部分共有型」に含まれます。

部分共有型のメリット
  • 完全分離型よりも建築費用が抑えられる
  • 完全同居型よりもプライバシーを確保しやすい
  • 間取りの自由度が高い
部分共有型のメリットは、建築費用を抑えつつ、程良いプライベート空間が確保できる点です。共有するスペースや設備を選べるため、間取りの自由度も高いと言えるでしょう。お互いの生活空間の間取りについては、それぞれの好みや使い勝手を反映させやすい点もメリットです。
 
部分共有型のデメリット
  • 世帯ごとの光熱費が把握しづらい
  • 生活リズムの違いがストレスになる場合がある
  • 売却時に不利になる可能性がある
一部の設備を共有している場合、世帯ごとの光熱費の把握が難しいです。光熱費の負担については、一世帯分にして分担するのか、二世帯分にして別々に支払うのかをあらかじめ話し合っておくと良いでしょう。

また、お互いの生活音が気になる可能性があるため、間取りの工夫が必要です。将来的に一世帯になったときに使わない設備が出てくる点や、特殊な間取りのため売却しづらい可能性がある点は理解しておくと良いでしょう。
 

3. 住居スペースを切り分けた「完全分離型」

完全分離型は、親世帯と子世帯の生活空間が完全に区切られているスタイルです。完全分離型には、左右で区切る「縦割り型」と、1階と2階で区切る「横割り型」があります。

完全分離型の二世帯住宅では、玄関はもちろん、キッチン、リビング、浴室、トイレなど、すべての設備をそれぞれの世帯に設けます。実際の生活は、マンションやアパートの隣同士や上下で生活する様子をイメージするとわかりやすいでしょう。

完全分離型のメリット

  • プライバシーを確保しやすい
  • 空いたほうを貸し出せる
  • 税金面で優遇が受けられる可能性がある

完全分離型は建物の中で行き来ができないため、お互いにプライバシーを確保しやすいです。世帯による生活リズムの違いもストレスになりにくいでしょう。将来的に一世帯になった場合は、空いた方を貸し出すことも可能です。

また、完全分離型の二世帯住宅の場合、不動産取得税や固定資産税で優遇が受けられる可能性があります。要件は各自治体で異なるため、対象になるかをチェックしておくと良いでしょう。

完全分離型のデメリット

  • ほかの間取りと比べて広い土地が必要になる
  • ほかの間取りと比べて建築コストが高くなりがち
  • お互いの生活が見えにくく子育てや介護で連携しづらい場合がある


完全分離型のデメリットはコスト面です。間取りの性質上、一戸建てを2軒建てる程の費用がかかる場合もあります。そのほかの間取りに比べて広いスペースが必要なため、土地代も高くなりがちです。

また、同居型や共有型に比べてお互いの生活が見えにくいため、子育てや介護のときに手を借りにくい可能性があります。
 

まとめ│二世帯住宅の間取りは慎重に検討しよう

二世帯住宅には「完全同居型」「部分共有型」「完全分離型」の3つの種類があります。一口に二世帯住宅といっても、実際の生活は間取りによって大きく異なります。それぞれの間取りにメリット・デメリットがあるため、お互いの生活スタイルや価値観、利便性などを良く検討したうえで、自分たちに適した間取りを選ぶと良いでしょう。