2024.03.01家を建てるなら

新築の駐車場の広さはどう決める?後悔しない駐車場づくりのポイントを解説!

新築を予定している方の中には「駐車場ってどれくらいのスペースが必要なの?」「広さ以外に考えることはある?」などの疑問をお持ちの方もいるでしょう。そのような方に向けて、本記事では新築の駐車場づくりで重要な以下の内容を解説します。
  •  駐車場に必要な広さの考え方
  •  広さ以外に検討したいポイント
この記事を読めば、駐車場に必要な広さを自分で判断できるようになります。駐車場づくりで失敗したくない方は、ぜひ本記事を参考にしてください。

新築の駐車場の広さはどう決める?5つのポイントを解説

駐車場の広さを決める際のポイントは、以下のとおりです。
  1.  車の大きさ
  2.  車の台数
  3.  乗り降りや出し入れのしやすさ
  4.  前面道路の幅
  5.  駐車方法
それぞれのポイントについて詳しく解説します。

1. 車の大きさ

まずは、現在所有している、またはこれから所有する予定の車の大きさを把握しましょう。そのうえで、駐車場に必要な幅と奥行きを考えていきます。

参考までに、道路運送車両法による自動車の種類ごとの大きさは以下のとおりです。

  全長(m) 全幅(m) 全高(m)
軽自動車 3.4以下 1.48以下 2.0以下
小型自動車 4.7以下 1.7以下 2.0以下
普通自動車 小型自動車の基準よりも大きいもの
※参考:国土交通省『自動車の種類

正確なサイズはメーカーのホームページや車検証等で確認できますが、ここでは一旦、上記の表を目安に駐車場の広さを考えてみましょう。

駐車場の広さに明確な決まりはありませんが、国土交通省では原則として以下の指針を定めています。

  奥行き(m) 幅(m)
軽自動車
 
3.6以上
 
2.0以上
 
小型自動車 5.0以上
 
2.3以上
 
普通自動車
 
6.0以上
 
2.5以上
 
※参考:国土交通省『駐車場設計・施工指針について

上記の表を基に、軽自動車と小型自動車で駐車場のゆとりを計算してみたところ、奥行きのゆとりは20~30cm程度、幅のゆとりは52~60cmでした。

この広さでは、駐車した状態でトランクを開けるのは難しそうです。また、一般的な通路幅が最低60cmと言われているので、駐車の際は車を片側に寄せて、左右どちらかの扉のみから出入りをすることになります。

駐車場の広さは「国の指針をクリアしているからOK」ではなく、車の大きさに対して左右前後に十分なゆとりがあるかで判断したいポイントです。

2.車の台数

駐車したい車の台数によっても、駐車場に必要な広さは変わってきます。たとえば、60cmの通路幅を確保したうえで2台を並列駐車した場合のイメージは以下のとおりです。

現在所有している車が1台でも、将来的に追加で車を所有する予定がある場合は、その分の駐車スペースも考慮すると良いでしょう。

また、来客が頻繁にある場合は、駐車場の奥行きを長めにとっておき、必要なときだけ車を後ろに下げて来客用の駐車スペースを確保する方法もあります。
 

3. 乗り降りや出し入れのしやすさ

人の乗り降りや荷物の出し入れのしやすさを重視する場合は、幅と奥行きの取り方に注意が必要です。

まず幅についてですが、前述した60cmの通路幅は、ドアを開けて出入りできるギリギリの幅と言われています。そのため、乳幼児の乗り降りを補助する場合等は、60cmでは狭く感じる可能性があります。

乗り降りのしやすさを重視する場合は、目安として90cm以上の幅を確保できれば、快適な乗り降りを実現しやすくなるでしょう。たとえば乗り降りの際にドアを全開にしたいのであれば、ドアの全開幅も考慮して幅を決める必要があります。

次に奥行きについてですが、トランクの扉の大きさや使用頻度によっては、駐車した状態でトランクを開け閉めできるように奥行きを設定すると使いやすくなります。
 

4. 前面道路の幅

前面道路の幅は、駐車場の間口の広さに関係します。前面道路に対して直角に駐車する場合は、弧を描きながら車庫入れするのが一般的です。その際、前面道路の幅が6mのときと4mのときでは、弧の描き方が変わるため、必要な間口の幅も異なります。

具体的には、前面道路の幅が4m以下の場合は要注意です。駐車場の間口が狭いと、人によっては駐車が難しかったり、何度も切り返しが必要になったりする場合があるため、慎重に検討したいポイントです。

5. 駐車方法

駐車方法によって、確保すべき駐車スペースの奥行きや幅が異なります。駐車方法の種類や特徴、メリット・デメリットは以下のとおりです。

  直角駐車
 
縦列駐車
 
特徴
 
一般的な駐車方法。前面道路に対して垂直に駐車する方法
 
道路に対して平行に駐車する方法
 
メリット
 
出し入れしやすい
複数台を並べて停めやすい
 
そのほかの駐車方法より奥行が少なくて済む
 
デメリット
 
広いスペースが必要となりやすい
 
出庫の際、逆方向に出づらい
広い間口が必要
 

適した駐車方法は、土地の広さや建物の形状、前面道路の広さなどによって異なります。出し入れのしやすさや住居スペースとの兼ね合いで検討すると良いでしょう。


新築の駐車場づくりで検討したい5つのポイント

新築の駐車場づくりでは、広さ以外にも検討したいポイントがあります。
  1.  玄関までの距離
  2.  勾配
  3.  床材の種類
  4.  カーポートやガレージの設置
  5.  防犯対策
それぞれのポイントを詳しく解説します。
 

1. 玄関までの距離

玄関までの距離は近いほうが利便性が高くなります。移動距離が長いと、荷物の持ち運びや雨の日の移動で不便さを感じやすいためです。その程度と思うかもしれませんが、日々の積み重ねでストレスや後悔を感じやすいポイントなので慎重に判断すると良いでしょう。
 

2. 勾配

駐車場には一般的に傾斜勾配を付けます。。なぜ傾斜勾配が必要なのかと言うと、傾斜があることによって水はけを良くする効果が期待できるからです。しかしながら、勾配がきつすぎると車を停めにくくなり、車を擦ったりする原因に繋がる可能性もあるため、駐車場の配置に合わせて、検討すると良いでしょう。

 

3. 床材の種類

住宅の駐車場といえば、コンクリートのイメージが強いかもしれませんが、実はそれ以外にも以下のようにさまざまな床面があります。
  •  砂利
  •  レンガ
  •  タイル
  •  芝生
  •  インターロッキング
使用する床材によって、コストやデザイン、耐久性やお手入れのしやすさなどが異なります。機能性やデザインの好みなども加味して検討すると良いでしょう。

4. カーポートやガレージの設置

車や駐車場にこだわりがある場合は、カーポートやガレージの設置を検討してみてはいかがでしょうか。カーポートとは、支柱と屋根で構成された簡易的な車庫を指します。設置費用はかかるものの、
  •  車を天候の影響から守りやすい
  •  雨の日でも濡れにくい
などのメリットがあります。

また、車好きの方には住居とは別に設置する「独立式ガレージ」や、住居の一部に組み込む「ビルトインガレージ」も人気です。ガレージ内に工具なども置けるため、車のお手入れをする趣味部屋としても活用されます。


5. 防犯対策

自宅での車の盗難リスクを下げるためには、防犯対策が重要です。たとえば、以下のようなアイテムの設置を検討してみるといいかもしれません。
  •  カーゲート
  •  人感センサーライト
  •  車止めポール
  •  防犯カメラ
  •  防犯砂利
こうした防犯対策は、大切な愛車を守るためにもしっかりと考えておきたいポイントです。


まとめ

 駐車場に必要なスペースは、以下の要素によって異なります。
  1.  車の大きさ
  2.  車の台数
  3.  乗り降りや出し入れのしやすさ
  4.  前面道路の幅
  5.  駐車方法
また、快適な駐車場をつくるためには、広さだけでなく玄関までの距離、勾配、床材の種類、カーポートやガレージの設置、防犯対策などについてもしっかり検討しておくと良いでしょう。