近年、おうち時間の過ごし方が注目されるなかで「ヌック」という空間が登場しています。聞いたことはあっても「そもそもヌックってなに?」「なんのためにつくるの?」「メリット、デメリットは?」といった疑問をお持ちの方もいるのではないでしょうか。そこで、本記事ではヌックが気になる方に向けて以下の内容を解説します。
- ヌックをつくるメリット・デメリット
- ヌックをつくる場所のアイディア
- ヌックをつくる際の注意点
おうちに居心地の良い隠れ家スペースが欲しいと考えている方は、ヌックを取り入れることで理想の暮らしを手に入れられるかもしれません。ぜひ、本記事を参考にしてください。
ヌックとは
ヌック(nook)は「角」や「端」などの意味を持つ言葉で、ここでは「小ぢんまりとした居心地の良い空間」や「ちょっとこもれる場所」のことを指します。スコットランド発祥の建築様式で、暖炉の側に設けた腰かけを意味する「イングル・ヌーク(Ingle neuk)」が語源といわれています。
ヌックは2~3畳程度の小さな空間としてつくられるケースが多く、リラックスしたり、本を読んだり、子どもを遊ばせたりと家庭によってさまざまな用途で使われています。欧米では「ブレックファースト・ヌック」や「リーディング・ヌック」といって、朝食を食べたり読書をしたりするための空間としてヌックがつくられることも珍しくありません。
ヌックをつくるメリット3選
ヌックをつくるメリットは以下のとおりです。
- 自分好みの空間にアレンジしやすい
- 空間にメリハリが生まれる
- 家族と一緒にいながらそれぞれの時間を過ごせる
ここからは、それぞれのメリットについて詳しく解説します。
1. 自分好みの空間にアレンジしやすい
ヌックは小さな空間なので、壁紙や床材、インテリアなどを工夫して自分好みの空間に仕上げやすいです。ラグやソファ、クッション、ローテーブルなどを置いてくつろげる空間にしたり、本棚を設置して読書スペースにしたり、思い思いの空間づくりを楽しめます。
2. 空間にメリハリが生まれる
広い空間にヌックをつくることで、空間にメリハリが生まれ、立体的な印象を与えることができます。さらに、ヌックの壁や床を隣接している部屋とは異なる素材のものにすることで、ヌックがより独立した空間として感じられ、空間にメリハリが生まれやすくなります。
3. 家族と一緒にいながらそれぞれの時間を過ごせる
たとえばリビングにヌックを配置した場合、家族と同じ空間で過ごしながらも、ヌックにこもって仕事や勉強に集中したり、本を読んだり、リラックスしたりすることが可能です。ヌックは半個室のため、空間としてはゆるくつながりつつも、それぞれの時間を過ごしやすい点がメリットです。
ヌックをつくるデメリット3選
ヌックをつくるデメリットは以下のとおりです。
- 面積が取られる
- 建築コストがかかる
- 使い道が限られる
ここからは、それぞれのデメリットについて詳しく解説します。
1. 面積が取られる
ヌックをつくるには、一般的に2〜3畳程度のスペースが必要です。これによってほかのスペースを圧迫するおそれがあるため、スペースに余裕がない場合は優先度を意識して設置を検討すると良いでしょう。あるいは、階段下などのデッドスペースをうまく活用すれば、必要なスペースを削らずにヌックをつくれる可能性があります。プロに相談してみると良いでしょう。
2. 建築コストがかかる
ヌックにかかる費用は広さや用途、設備などの実現したい内容によって変わってきますが、間取りが複雑になる分、通常よりも建築費用が高くなる可能性があります。たとえばベンチや間仕切りを設置する場合は、その分の費用がプラスでかかります。
3. 使い道が限られる
ヌックは2〜3畳程度の小さな空間のため、使い道が限られる場合があります。ヌックに必要な広さや設備は、ソファやクッションを置いてくつろぎの空間にするのか、書斎や子ども部屋にするのかによっても異なります。使い道をよく考えずにつくってしまうと「ヌックを小さくして別のスペースを広くすればよかった…」「リビングにつくれば良かった…」など、広さや設置場所で後悔しやすいので注意しましょう。
ヌックをつくる場所のアイディア3選
ここからは、ヌックをつくるのに人気のスペースを3つ紹介します。
1. リビングの一角
リビングの一角にヌックを設けることで、家族の気配を感じつつ、お互いに気にならない距離感でそれぞれの時間を過ごすことができます。LDKは広い空間になることが多いので、ヌックをつくることで空間にメリハリをつける効果も期待できます。
2. 階段下
デッドスペースになりがちな階段下にヌックをつくることで、スペースを有効活用できます。読書やゲームをするスペースにしたり、子どもが遊ぶスペースにしたりと、アイディア次第でさまざまな使い方ができます。
3. 窓際
窓際は、採光や眺望が良い場所です。窓際のヌックは、ベンチのように腰掛けられるスペースをつくるケースが一般的です。ほかの設置場所に比べてスペースを必要としないため、ヌックにそこまでスペースを割けない場合に検討してみると良いでしょう。
居心地の良いヌックをつくる3つのポイント
居心地の良いヌックをつくるためには、以下のポイントを意識すると良いでしょう。
- 家族のライフスタイルに合った使い方を考える
- 採光や換気を確保する
- 家具やインテリアで好みの空間をデザインする
ここからは、それぞれのポイントについて詳しく解説します。
1. 家族のライフスタイルに合った使い方を考える
家族のライフスタイルに合ったヌックの使い方を検討しましょう。ヌックは用途によって必要なスペースや設備、設置場所が変わってきます。誰が使うのか、どのように使うのかなどの目的をもってつくることで、「つくったけど活用できていない」といった事態を避けられるでしょう。
2. 採光や湿気対策に配慮する
ヌックには窓や空調が設置されないケースが多いため、採光や通気性に配慮しないと暗くてじめじめした空間になってしまう可能性があります。窓や照明を設置したり、風通しが良くなる工夫をしたりして、対策をしておくと良いでしょう。せっかくのヌックスペースを快適に保つためには、性能の良い空調設備や除湿設備の導入を検討するのもひとつの方法です。
3. 家具やインテリアで好みの空間をデザインする
ヌックは、家具やインテリアで自分好みにコーディネートすることで、より居心地の良い空間に仕上げられます。ソファやクッション、カーテンなどにこだわったり、観葉植物やアートを飾ったりして、自分好みの空間をつくってみましょう。
まとめ
ヌックはスコットランド発祥の建築様式で、「小ぢんまりとした居心地の良い空間」や「ちょっとこもれる場所」のことを指す言葉です。子どもの遊び場やリラックススペース、読書スペースなど家族が思い思いの時間を過ごす場所として利用されています。居心地の良いヌックをつくるためには、家族のライフスタイルに合った使い方や設置場所を検討し、 家具やインテリアを工夫して好みの空間を演出してみましょう。