マイホームを検討中に「標準仕様」という言葉を見聞きして、「どういう意味なの?」と疑問をお持ちではありませんか。そのような方に向けて、本記事では以下の内容を解説します。
- 標準仕様とは
- 標準仕様に関する注意点
- 標準仕様に含まれる項目の一例
- 大幅な予算オーバーをしないコツ
標準仕様の内容は、最終的な見積もり金額や住宅の仕上がりに関係する重要なポイントです。よくわからないまま家づくりを進めてしまうと、大幅な予算オーバーに頭を抱えることになるかもしれません。本記事で「標準仕様」について理解し、上手な付き合い方を学んでいきましょう!
注文住宅の標準仕様とは各社の「基準」を定めたもの
多くの住宅会社では、家づくりに必要な材料や設備等に基準となる仕様を設けています。この基準こそが「標準仕様」や「標準装備」と呼ばれるものです。
住宅会社は大量発注によるコストダウンが図れるため、標準仕様に含まれている材料や設備は通常よりも安価に提供される傾向があります。よって、候補となる住宅会社の標準仕様は、しっかりとチェックしておきたいポイントです。
注文住宅の標準仕様に関する3つの注意点
家づくりにおいて、依頼する住宅会社の標準仕様は最終的な見積もり金額やマイホームの仕上がりを左右する重要なポイントです。本章では、標準仕様がなぜ重要なのか、その理由を以下の3つの注意点から解説します。
- 標準仕様は住宅会社によって異なる
- オプション仕様に変更する場合は追加料金がかかる
- 項目によっては標準仕様をカットできる
それぞれの注意点について詳しくチェックしていきましょう。
1. 標準仕様は住宅会社によって異なる
標準仕様の内容は、住宅会社によって異なるのが一般的です。たとえば、ある住宅会社では標準仕様とされている設備が、別の住宅会社ではオプション仕様になっていることも珍しくありません。
以下はわかりやすく極端にした例ですが、この表のように、各住宅会社によって標準仕様が大きく異なる場合があるので注意しましょう。
【住宅会社による標準仕様の違いの例】
|
A社 |
B社 |
C社 |
金額 |
一番高い |
中間 |
一番安い |
食洗器 |
付き
(グレード高)
|
付き
(グレード中)
|
なし
|
キッチン収納 |
カップボード |
食器棚 |
吊り戸棚 |
カーテン |
全窓付き |
全窓付き |
なし |
トイレ |
1F・2F |
1F・2F |
1Fのみ |
表面的には一番安く見えるC社ですが、「トイレは2Fにも欲しい」「カーテンも付けたい」「キッチン収納はカップボードがいい」などの希望を叶えようとすると、それぞれに追加料金が発生します。最終的な総額は他社とあまり変わらないケースもあるので、慎重に判断したいポイントです。
また、上表ではA社とB社はいずれも食洗器が標準仕様に含まれていますが、メーカーやグレードが異なることもあるため、こうした点もチェックすると良いでしょう。
2. オプション仕様にする場合は追加料金がかかる
「追加したい設備がある」「標準仕様のデザインがあまり好みでない」など標準仕様以外から選択したい場合は、オプション仕様として追加・変更が可能です。ただし、以下の点には注意が必要です。
- 標準仕様からオプション仕様に変更する場合は追加料金がかかる
- 希望する材料・設備によって追加料金が高額になる可能性がある
- 住宅会社によってはオプション仕様でも対応していない材料や設備がある
オプション仕様の選択肢は、住宅会社によって異なる場合があります。特定の材料や設備を希望する場合は、その商品が標準仕様に含まれているか、またはオプション仕様として変更が可能かどうかをチェックしておくと良いでしょう。
3. 項目によっては標準仕様をカットできる
標準仕様に含まれている項目でも、不要な場合はカットまたはグレードダウンできる可能性があります。これによって見積もりから減額されるケース、そうでないケースがあるので、標準仕様に不要な項目が含まれていた場合は、減額の対象になるのかを確認しておくと良いでしょう。
標準仕様に含まれることのある項目の一例
標準仕様に含まれることのある項目の一例は以下のとおりです。
項目 |
内容 |
構造 |
建物の構造、工法、基礎などの安全性や耐震性、耐久性に関する内容 |
間取り |
吹き抜け、スキップフロア、天井高の変更など |
外観デザイン |
外壁材、屋根材など |
内装デザイン |
壁紙、床材、照明、カーテンなど |
水回りの設備 |
システムキッチン、浴室、トイレ、洗面台、食洗器など |
外構 |
駐車場、郵便受け、カーポートなど |
なお、上記に挙げた項目は、必ず標準仕様に含まれているわけではありません。どの項目が標準仕様に含まれるのかは住宅会社によって異なるので、必ずチェックしておきたいポイントです。
標準仕様は、住宅展示場で担当者に直接確認する、住宅会社からカタログを取り寄せるなどの方法で確認できます。
仕様変更で大幅な予算オーバーをしないコツ
注文住宅のオプションは魅力的なものが多いため、ついつい欲しくなってしまう方も多いでしょう。しかし、うっかり「オプション沼」にハマってしまうと大幅に予算オーバーしがちなので、仕様変更を検討する際は以下のポイントを押さえておきましょう。
- まずは標準仕様で見積もりを依頼する
- 不要な標準仕様をカットまたはグレードダウンできるか確認する
- グレードアップの優先順位を決める
それぞれについて詳しく解説します。
1. 標準仕様で見積もりを依頼する
まずは標準仕様で見積もりを依頼しましょう。そのうえで、予算にゆとりがある場合はオプションを検討してみるのも良いでしょう。
オプションを詰め込んだ状態から削っていく作業は大変です。標準仕様の見積もり金額から予算に応じて調整していくと、大幅に予算オーバーしづらくなります。
2. 不要な標準仕様をカットまたはグレードダウンできるか確認する
不要な標準仕様をカット、またはグレードダウンすることで、金額を抑えられる可能性があります。
たとえば、標準仕様に含まれている「食洗器」が不要な場合は、カットすることで見積もりからその分の金額を差し引けるかもしれません。
不要な材料や設備をカットまたはグレードダウンして金額を抑えられれば、その分、こだわりたい部分に予算をあてやすくなるでしょう。
3. グレードアップの優先順位を決める
あれもこれもとオプションを希望すると、あっという間に予算オーバーするおそれがあります。憧れや「便利そう」といった漠然としたイメージで決めるのではなく、優先順位を決めておくことが大切です。オプションを検討する際は、予算感や実際に使う場面があるかどうかなどをもとに慎重に判断すると良いでしょう。
まとめ
注文住宅の標準仕様とは、各住宅会社が基本プランとして見積もりに含んでいる材料や設備を指します。標準仕様の内容は各住宅会社や住宅商品によって異なり、「標準仕様=平均的な仕様」ではない点を押さえておきましょう。
標準仕様は、追加料金を支払うことでオプション仕様へと変更できます。しかし、場合によっては追加料金が高額になったり、住宅会社によって希望の材料・設備に対応していなかったりするケースがある点には注意しましょう。