2024.06.13家を建てるなら

中庭のある家のメリット・デメリット6選!間取りの種類や注意点も解説

「中庭に憧れるけど、どんな使い道があるの?」「デメリットはある?」「設計するときの注意点は?」といった疑問をお持ちではありませんか。本記事では、中庭のある家が気になっている方に向けて、以下の内容を解説します。
  • 中庭の使い道
  • 中庭のある家のメリット・デメリット
  • 中庭の間取りの種類
  • 中庭のある家づくりの注意点
中庭づくりで後悔したくない方には必見の内容です。ぜひ、本記事を参考にしてください。


中庭の使い道は?

中庭は庭の種類のひとつで、周囲を壁や建物に囲まれているのが特徴です。通常の庭と比べて外からの視線が気になりにくいため、屋外でありながらまるで住居の一部のようにプライベートな空間として利用しやすい点が魅力です。そのため、以下のようにさまざまなスペースとして活用されることがあります。
  • ソファやテーブルを置いて読書やティータイムを楽しむリラックススペース
  • 植物を育てて四季折々の景色を楽しむガーデニングスペース
  • 遊具やプールなどで子どもたちが思いっきり遊べるスペース
  • DIYやバーベキューなど、さまざまな趣味を楽しむスペース
中庭は、アイディア次第で幅広く使える便利な空間です。


中庭のある家のメリット3選

中庭のある家には、以下のようなメリットがあります。
  1. 採光や通気性が向上する
  2. プライベートな空間を確保しやすい
  3. 開放的な空間を演出できる
ここからは、それぞれのメリットを詳しく解説します。

1. 採光や通気性が向上する

中庭をつくると、室内が明るくなったり、風が通り抜けたりするようになる効果が期待できます。建物の外と接する部分の面積が増えるため、大きな窓を設置しやすくなり、そこから光や風を室内に取り入れやすくなるためです。

都市部や狭小住宅では建物が壁や塀で囲まれているケースが多いため、どうしても日当たりや風通しが悪くなりがちです。そのようなときに中庭をつくることによって、採光や通気性の問題を解決できる可能性があります。

2. プライベートな空間を確保しやすい

中庭は壁に囲まれているため、外から見えにくく、プライベートな空間として活用しやすいというメリットがあります。特に住宅密集地や隣家との距離が近い場合は、中庭があるとプライバシーを確保しやすいでしょう。人目を気にせずに家族や友人とリラックスしたり、子供を遊ばせたり、趣味を楽しんだりするマルチな空間として活躍が期待できます。

ただし、後述する「中庭の種類」によっては、プライバシー性を高めるためにフェンスや植栽による目隠しが必要になるケースもあるので注意が必要です。

3. 開放的な空間を演出できる

中庭をつくることで建物の奥行きや広がりを感じさせる設計自由度が増えるため、開放的に見せやすくなります。住居スペースと庭の境界が曖昧になり、実際の間取りより広く見える効果も期待できるでしょう。中庭に面した部屋と一続きの空間として利用しやすいため、リビングのすぐそばに配置すれば開放的なセカンドリビングとして使用することも可能です。


中庭のある家のデメリット3選

中庭のある家には、以下のようなデメリットがあります。
  1. 建築費用が高くなりやすい
  2. 居住スペースが狭くなるおそれがある
  3. 冷暖房の効率が落ちやすい
ここからは、それぞれのメリットを詳しく解説します。

1. 建築費用が高くなりやすい

中庭をつくることで、建築費用が高くなる傾向があります。具体的には、以下のような項目で費用が多く発生する可能性があります。
  • 外壁
  • 床材(タイルやウッドデッキなど)
  • 排水設備
  • 植栽
実際にかかるコストは、中庭の広さやデザインによっても異なります。専門家に相談しながら、予算に応じた設計を検討してみると良いでしょう。

2. 居住スペースが狭くなるおそれがある

中庭をつくるとどうしても居住スペースを圧迫してしまい、部屋が狭くなる可能性があります。敷地が広ければ問題ありませんが、敷地が限られている場合は中庭の面積を小さくしたり、建物の形状を工夫したりするなど、必要な部屋の広さを確保できるよう柔軟な設計が求められます。

3. 冷暖房の効率が落ちやすい

中庭をつくると、冷暖房の効率が落ちる可能性があります。中庭に面した部分に大きな窓が設置されるケースが多く、そこから外気が侵入しやすくなるためです。

冷暖房の効率が落ちると電気代が高くなったり、冬は寒く、夏は暑い家になってしまったりするおそれがあります。中庭のある家で外気に左右されず心地良く過ごすためには、住宅自体の断熱性や気密性を高めることはもちろん、熱や冷気の出入口となる窓の断熱性を高めることも重要です。

 

中庭のある家の間取りは3種類

中庭のある家の間取りは、以下の3種類です。
  1. L字型
  2. コの字型
  3. ロの字型
ここでは、それぞれのタイプの間取りについて解説します。

1. L字型

L字型の中庭は、建物の形状をアルファベットの「L」字型にすることで、2方向を壁で囲んだ中庭のことです。そのほかの種類に比べて外壁部分が少ない分、費用を抑えられる可能性があります。一方で、外から中庭が見えてしまうこともあるため、プライバシー性を高めたい方は中庭を囲む壁面の高さを高くしたり、植栽で目隠しをしたりするなどの対策を検討してみると良いでしょう。

2. コの字型

コの字型の中庭は、建物の形状をカタカナの「コ」の字型にすることで、3方向を壁で囲んだ中庭のことです。完全に囲まれた形ではないため、ほど良い開放感があります。一方で、コの字型の建物は生活動線や家事動線が取りにくいため、間取りを工夫するなどの配慮が必要になる場合があります。 

3. ロの字型

 ロの字型の中庭は、カタカナの「ロ」のように全方位を建物で囲んだ中庭のことです。4方向が壁で囲まれているため、外からの視線を遮り、プライベートな空間として活用しやすいタイプの間取りです。一方で、中庭を挟んだ部屋に移動するときはどうしても動線が長くなりやすいため、間取りによっては日々の移動が大変に感じるかもしれません。


中庭のある家づくりの3つの注意点

中庭のある家をつくる際には、以下の点に注意すると良いでしょう。
  1. 生活動線を考慮する
  2. 排水設備を整える
  3. メンテナンスのことを考えておく
ここからは、それぞれの注意点について解説します。

1. 生活動線を考慮する

 中庭の使い勝手を良くするためには、生活動線を考慮した設計が重要です。中庭は、家族や友人とくつろいだり、ガーデニングを楽しんだり、洗濯物を干したり、さまざまな用途に活用できる空間です。だからこそ、日々の暮らしに溶け込むような、ストレスを感じにくい設計にすることで、中庭の良さを十分に感じられるでしょう。

2. 排水設備を整える

 中庭は、排水がうまくいかないと雨水がたまりやすい場所です。雨水・汚水による被害や衛生環境の悪化につながるおそれがあるため、排水設備を整えて、雨水がきちんと排水されるようにする必要があります。

3. メンテナンスのことを考えておく

 メンテナンスの頻度や手間、費用などについても考えておきましょう。中庭を良い状態に保つためには、排水設備や植栽の手入れ、外壁・屋根・床材の劣化対策など、定期的なメンテナンスが欠かせません。業者への依頼が必要になるケースもあるため、今後どのようなメンテナンスが必要になるのか、費用はどの程度かかるのかをあらかじめ把握しておくと良いでしょう。


まとめ

中庭は、家族とリラックスしたり、子どもを思いっきり遊ばせたり、趣味を楽しんだりと、アイディア次第で幅広く使える便利な空間です。一方で、建築コストが多く掛かる、住居スペースが狭くなる可能性や断熱・気密性能によっては、冷暖房効率が落ちやすいといったデメリットもあるため、専門家に相談しながら自分たちの予算やライフスタイル、好みに合わせた設計を検討すると良いでしょう。