2024.08.19家を建てるなら

ビルトインガレージとは?魅力と活用方法を紹介

ビルトインガレージとは、住宅内に車やバイクの駐車スペースを組み込んだ車庫です。駐車場としての機能だけでなく、趣味の部屋や子どもの遊び場としても活用可能なため、人気が高まっています。この記事では、以下の内容をわかりやすく解説いたします。
  • ビルトインガレージに必要な広さ
  • メリット・デメリット
  • 設計時の注意点や活用アイデア
ビルトインガレージを検討中の方や、狭い土地を有効活用したい方は、ぜひ参考にしてください。


ビルトインガレージに必要なスペースは?

ビルトインガレージは、家の1階部分に車庫を組み込んだ仕様です。シャッターやドアを閉めれば、車を安全に収納できます。ただし、居住スペースを削らなくてはいけないため、事前にスペースの目安を知っておきましょう。

住宅にビルトインガレージをつくる場合、1階部分に大きな開口部を確保する必要があります。広さは駐車する車の大きさや台数によって異なり、一般的な目安は以下の通りです。
  • 車1台分: 間口は3m~3.5m
  • 車2台: 間口は6m~7m
車いすを使用する場合は、さらに1mほど余裕を持たせることが良いです。

奥行きについては、一般的な車であれば5.5m~6.5mあれば十分です。坪数に換算すると、1台の場合は約4~5坪、2台の場合は約8~10坪程度となります。


ビルトインガレージをつくるメリット

 住宅を設計する際に、ビルトインガレージをつくるメリットはいくつもあります。住宅の内部に車庫があるため、屋外に駐車場がある生活とは違いがあるためです。ビルトインガレージをつくるメリットについて具体的に紹介します。

愛車を守れる

ビルトインガレージがあれば、愛車を雨風や紫外線から守ることが可能です。車両が人目にさらされないため、損傷や盗難のリスクが低減します。屋外とは違い、雨風や花粉でボディーが汚れる心配もありません。愛車を室内で安全に保管でき、セキュリティ面やメンテナンス面でも安心感が得られます。

メンテナンスが手軽

ビルトインガレージでは、いつでも好きな時に愛車のメンテナンスが可能です。天候や時間帯に左右されず、24時間365日ご自身の都合で車両の手入れができます。また、リビングや書斎からガレージ内が見える間取りにすれば、メンテナンスが行き届いた愛車を眺めながら過ごせるのも魅力です。

趣味のスペースとしても活用できる

ビルトインガレージは、趣味の空間としても有効活用できます。たとえば、ゴルフの練習、映画鑑賞、DIYを楽しむスペースとして使えるでしょう。お子さんが小さいうちは、遊び場として開放するのも1つの方法です。車の収納だけでなく、家族全員が快適に過ごせる空間としても役立ちます。

雨に濡れない

 建物内に駐車スペースがあるため、雨の日でも濡れずに車から乗り降り可能です。荷物の出し入れもしやすく、小さなお子さんをチャイルドシートに乗せる時もストレスを感じません。車いすや介護が必要な方にとっても、車を降りてすぐに屋内に入れるのは安心な環境です。


ビルトインガレージのデメリット

ビルトインガレージには多くのメリットがある一方で、デメリットも存在します。家の間取りを考える際は、デメリットも考慮して計画を進めるのが重要です。主なデメリットと注意したいポイントを3つ解説します。

設置費用が高額

ビルトインガレージのある家は、1階に広い開口部を確保しなくてはなりません。スペースが広くなるほど、柱の数が減って耐震性を強化する必要が出てきます。そのため、通常の住宅よりも建築費は高くなるのが難点です。一般的な住宅と比べると、300万円ほど高くなると考えられます。内容によっては、もう少し費用が掛かる場合もあります。また、使い方によっては、ビルトインガレージ内にエアコンや換気システムが必要になります。初期費用だけでなく、入居後の電気代や修繕費についても十分検討しましょう。

音や振動が響く

ビルトインガレージでの作業は、室内で大きな物音を立てているのと同じです。間取りを工夫しないと、睡眠や勉強の邪魔になってしまいます。寝室や子ども部屋を離して配置することや、壁内や天井に防音対策を施すなどの配慮も必要となります。

また、シャッターの開閉は音が気になる場合もあります。静かな住宅街や隣家との距離が近い環境では、トラブルにならないように注意が必要です。手動シャッターと電動シャッターでは、音の大きさが変わりますので、導入時に近隣環境を考慮して検討すると良いでしょう。

換気扇が必要

ビルトインガレージの中でエンジンをかけると、排気ガスが1階の部屋に流れ込む可能性があります。臭いの原因だけでなく、空気が汚れて健康に被害が及ぶ恐れもあります。とくに冬場にエアコンや暖房器具の使用を考えている場合は、換気システムの検討が不可欠です。換気扇は新築時の設計段階で計画しましょう。換気対策は素人にはむずかしい問題なので、専門家にアドバイスをもらうのがおすすめです。


ビルトインガレージの活用例3選

ビルトインガレージの使い方は、車庫だけに限りません。車を置きつつ、1つの部屋としても機能させられるのがポイントです。住む人の趣味やアイデアによって、使い方は広がりを見せています。代表的な活用例を3つ紹介しましょう。

趣味の部屋

ビルトインガレージを趣味のスペースとして使う場合、トレーニングマシンやサーフボードのような大型アイテムを置けるのが魅力です。ソファやテーブルを配置すれば、車を眺めながらコーヒーやお酒を楽しめる空間となります。DIYが趣味の場合も、ビルトインガレージなら天気に左右されずに作業ができて快適です。

ワークスペース

小さなお子さんやペットとの暮らしにおすすめなのが、ビルトインガレージをワークスペースとして使う方法です。リビングと隣接させれば、窓越しに様子がわかるのでリモートワークも効果的におこなえます。作業に疲れたら、お気に入りの愛車を眺めながら休憩できるのも魅力的です。

第2のリビング

二世帯住宅の場合、親世代が高齢の可能性が高いでしょう。階段での移動は足腰に負担がかかるだけでなく、転倒の恐れもあります。1階に居住スペースを設け、ビルドインガレージをリビングのように使えば気軽に団らんできて安心です。また、急な来客があっても家に上がらずに対応できます。


ビルトインガレージの選び方のポイント

家を建てるタイミングでビルトインガレージの検討をしている方には、いくつかの注意点があります。ビルトインガレージに熱心になりすぎて、住んでから後悔してしまわないよう以下のポイントを考慮しましょう。

部屋の間取りとのバランスを考える

ビルトインガレージのスペースを広く取りすぎてしまうと、1階の居住スペースが狭くなってしまいます。家の間取りで最も広い面積を必要とするのがLDKです。どちらかの広さを圧迫する場合は、LDKの2階配置も検討しましょう。

シャッター選びは慎重に

ビルトインガレージの出入り口にシャッターを設置する際は、手動と電動の2つのタイプがあります。手動シャッターは雨の日に濡れやすいのは難点なものの、操作は簡単で、費用もリーズナブルです。電動シャッターはボタン1つで操作できるものの、電池切れの心配や導入費用が手動よりも高くなります。また開閉時のシャッター音が手動と電動では違いがありますので、周辺環境も含めて注意して検討しましょう。

車の買い替えを考慮する

ビルトインガレージは後から広くできないため、車の買い替え計画も重要なポイントです。将来的にSUV車や海外メーカーの車を考えている方は、あらかじめサイズを大きくしておきましょう。お子さんが生まれてファミリーカーを購入したり、高齢の家族が車いすになったり、ライフスタイルの変化も想定しておくことも重要です。


ビルトインガレージは家の間取りとのバランスが大事

ビルトインガレージのある暮らしは、車好きな方だけでなく、小さなお子さんや高齢者がいる家族にもおすすめです。間取りを設計する際に、耐震性や換気などの安全面を考慮すれば車庫だけでなく部屋としても使えます。趣味の部屋や第2のリビングとして活用すれば、家族全員が笑顔で過ごせる家となるでしょう。不明な点は住宅会社の担当者に相談して、理想のビルトインガレージを実現してみてはいかがでしょうか。