マイホーム購入のタイミングで、いつから子ども部屋が必要になるか考えるご家庭を多く見受けます。この記事では、以下の内容についてわかりやすくお伝えします。
- 年齢別に見る子ども部屋の役割
- 子ども部屋が与える成長への影響
- 子ども部屋をつくるメリットと注意点
新居の間取りを考えている方や、お子さんに個室を与える最適なタイミングを知りたい方は、ぜひ参考にしてください。
年齢に応じた子ども部屋の役割
お子さんに子ども部屋を与える時期に正解はありません。子ども部屋は年齢に応じて目的が異なり、各家庭によって最適なタイミングは異なるためです。いつから与えるかではなく、どのような目的で与えるかで判断すると良いでしょう。
0〜2歳の赤ちゃん
生後間もない時期に子ども部屋は必要ないと考えるかもしれませんが、海外では0〜2歳の赤ちゃんでも一人で眠ります。日本では添い寝が一般的なものの、最近では欧米の教育を意識して出産とともに個室を用意するご家庭もあります。
3〜6歳の幼児期
3〜6歳は家族と一緒に生活しながら、さまざまな習慣を身につけていく時期です。一人の空間は必要としないものの、「自分専用」を喜ぶ傾向があります。個室ではなく、洋服やバッグがかけられる専用スペースをつくってあげるだけでも十分です。
小学校低学年
小学校に入学すると、急に自立心が芽生えるお子さんは多くいます。自分一人でやってみたいという意識が見受けられたら、宿題や就寝を子ども部屋で行うチャンスです。完全な分離ではなく、親の目が届く範囲で個室を使いはじめると良いでしょう。
小学校高学年
高学年になると精神的にも一気に成長し、悩みも複雑化します。親に話す前に自分で解決しようとするお子さんも増え、小さなストレスであれば好きなことに集中して解消できるまでに成長します。勉強も難しくなるので、集中するための子ども部屋を与えるのに相応しい時期といえるかもしれません。
中学生
思春期や反抗期と重なり、親よりも友だちが優先となります。親の干渉に嫌悪感を示し、悩みは友だちに相談する時期です。お子さんとの関係を良好に保つためにも、適度な距離が不可欠です。子ども部屋で、自分自身や受験勉強と向き合えると心が安定しやすくなることもあるでしょう。
子ども部屋がないと成長に悪影響を及ぼす?
お子さんの成長を考える上で、子ども部屋がない影響について理解しておく必要もあります。必ずしも個室がないから健全な成長をサポートできないというわけではありませんが、一般的に悪影響を及ぼすとされる例を3つ紹介します。
自己管理能力への影響
大人になるにつれて求められる自己管理能力は、小さな頃から身につけられるスキルです。子ども部屋を持つことは、自分の持ち物の管理や片づけ、掃除のタイミングを自分で考えるきっかけとなることがあります。「遊んだ後に片付けをしないと、散らかった部屋で眠らなくてはならない」というような経験を通して自分を律する大切さについて学べるでしょう。自室を持たないお子さんは、こうした経験を積みにくいので社会に出てから苦労する可能性もあります。
勉強の質への影響
学年が上がるにつれて家庭学習の質が成績に直結するようになり、学年が上がっていくと、リスニングや音読を集中して行える環境が必要となってきます。リビングで勉強していると、どうしても家族の会話や雑音が耳に入ってしまいます。兄弟姉妹がいる場合、自分だけが勉強しているという疎外感を感じるケースもあるでしょう。その際、自身の子ども部屋があれば、お子さんは快適な環境で勉強することができます。学年が上がってきた際には、勉強の質を上げるために専用の空間があることも大切となっていきます。
思春期の心理への影響
お子さんが成長するにつれて、人間関係や勉強についての悩みが深刻になります。思春期は親と口論になって気持ちが高ぶる機会も増えるでしょう。一人になってクールダウンできる環境がないと、モヤモヤした気持ちが長続きしてしまい、反抗的な態度に繋がることもあるでしょう。子ども部屋があれば、家の中でも自身の気持ちを静められるので思春期には子ども部屋が活躍します。
子ども部屋を与える5つのメリット
マイホームに子ども部屋があると、お子さんだけでなく家族全員にメリットがあります。家の間取りは各部屋の使い方が関係してくるためです。ここでは、子ども部屋を設ける主なメリットを5つ紹介しましょう。
自ら学ぶ姿勢が身につく
リビングで宿題や勉強をしていると、子どもが質問する前に口出ししてしまうことはありませんか。子ども部屋があると、質問があれば自分から聞いてくるようになります。自発的に勉強するようになるので、保護者のストレスも軽減されるでしょう。
整理整頓の大切さを学べる
忘れ物や無くし物が多いお子さんほど、身の回りのアイテムを自分で管理する必要があります。子ども部屋にすべてを収納すれば、無くさないように整理整頓が不可欠です。最初は保護者がお手本を示せば、片づけが苦手な子でも真似するうちに上達していくでしょう。
プライベート空間を確保できる
小さな子どもでも、大人と同様にプライベートな空間は必要です。工作や折り紙に集中したい、友だちとの電話を聞かれたくないなど、他人に邪魔されたくない時間というのは何歳でも存在します。子ども部屋があれば、好きなことを伸ばすアシストもできるでしょう。
友だちを気軽に呼べる
お子さんによっては、自宅に友だちを招いて遊びたがります。子ども部屋があれば、事前の準備も本人に任せておけばいいので親は気が楽です。また、友だちが遊びに来た際に顔を出せば、お子さんの交友関係を把握できるメリットもあります。
リビングが散らからない
お子さんがいるご家庭では、リビングが学用品やおもちゃで溢れ返ってしまうというのが課題です。子ども部屋ですべてを管理すれば、家族が過ごす共有スペースもスッキリと片づきます。生活感のない暮らしを好む方にも、子ども部屋の設置はおすすめです。
子ども部屋をつくる際の注意点
マイホームに子ども部屋を設けたら、上記のようなメリットを得られるとは限りません。お子さんの成長を促し、家族が円満に暮らすためには、次のようなポイントに注意しましょう。
鍵をつけない
子どものプライバシーは尊重すべきですが、鍵をつけるのは危険です。完全に独立した空間を与えてしまうと、家族とのコミュニケーションが断絶してしまう恐れもあるためです。未成年の間は、お子さんの責任は親にあります。万が一のトラブルを防ぐためにも、鍵はつけないのがおすすめです。
リビングの近くに配置
子ども部屋がリビングから遠くなってしまうと、様子がわかりにくいという問題があります。小さいお子さんの場合は誤飲やケガの恐れもあるので、気配のわかる距離感が大切です。思春期以降になると、夜中に勝手に家を抜け出していたなどというトラブル防止にも役立ちます。
ルールを決める
子ども部屋の管理をお子さんに任せる前に、ルールを明確にしておきましょう。家族とはいえ、共同生活の場です。掃除を怠れば悪臭の原因ともなりますし、夜中にオンラインゲームをすれば騒音にもなります。事前に快適な暮らしを守るための約束をしておくと、将来独立してからも役立ちます。
子ども全員に個室を与える
お子さんが複数いるご家庭の場合、一度に全員に個室を与えるのは難しいかもしれません。年齢差的に可能であれば、中学生以降は個室を与えるというルールでもいいでしょう。
半個室の環境も考慮する
間取りの都合で子ども部屋を作れない場合は、リビングに学習机を置いて半個室のような環境を整えます。パーテーションやカーテンで区切れば、子ども部屋として使用可能です。ただし、お子さんが勉強や趣味に没頭している間は、家族が邪魔をしないように注意が必要です。
子ども部屋をいつから与えるか決まりはない
家族構成やお子さんの希望に応じて、子ども部屋を与えるタイミングを選ぶのが理想です。日本ではコンパクトな住宅が多いので、無理に用意する必要はありません。子どもが個室を使用する期間は10〜15年程であることが多いので、リビングや共有スペースを有効活用する方法もあります。子ども部屋をいつから与えるか迷った場合は、柔軟に間取りが変更できる住宅を選びましょう。