2024.07.19家を建てるなら

戸建て購入時に火災保険の加入は必要?選び方や保険料節約の方法を解説

戸建て住宅を購入する際は、引き渡し日までに火災保険に入るのが一般的です。住宅ローンを組む場合は、金融機関から加入を求められるケースも少なくありません。ここでは、以下のポイントをわかりやすく解説します。
  • 火災保険の必要性
  • 戸建て住宅に適した火災保険を選ぶポイント
  • 保険料を安く抑える方法
火災保険について知りたい方や、無駄のない補償を希望している方は、最後までお読みください。

戸建て住宅を購入したら火災保険に加入するべき?

マイホームを新築する際は、火災保険への加入を考える必要があります。ハウスメーカーや金融機関から勧められるケースもありますが、自分でも選べるように基本的な知識を身につけておきましょう。

火災保険とは

火災だけでなく、強風や大雨による災害や盗難などによって生じた住宅の損害を補償する保険です。主に以下のような原因で被害を受けると、保険金支払いの対象となります。

・火災
・落雷
・爆発
・風災
・水災
・外部からの飛来物
・水漏れ
・盗難

保険会社や商品によって補償される範囲が異なり、補償範囲が広くなるほど保険料は高くなる傾向です。

未加入の場合は災害時の経済的リスクが高まる

火災保険に未加入の場合、損害額を全額自己負担しなければなりません。持ち家が全焼した場合、住宅ローンが残っていれば返済は続きます。新居への引っ越しや家財の購入、がれきの撤去作業費用もすべて自分で支払うので大変な出費となります。

焼けた家を立て直すか、新居を購入し直す場合は、さらに数千万円が必要です。一括での支払いができなければ新たなローンを組み、元のローンとあわせて二重に返済することになります。

火災保険に加入している割合

平成29年3月に報告された内閣府の調査結果によると、持ち家世帯の火災保険加入率は61%で、共済を含めると82%です。火災保険に未加入だと火災や自然災害による被害、住宅ローン返済や家族の生活再建の難しさを多くの人が理解している数字と考えられます。

ただし、災害に対するリスクが低い地域や経済的な状況によっては未加入世帯もあり、全世帯が加入すべき保険ではありません。

住宅ローンを組む人は加入したほうがいい

新築に限らず戸建て住宅を購入する際は、火災保険に加入するのがおすすめです。住宅ローンの契約にあたって、ほとんどの金融機関が火災保険への加入を条件としています。なぜなら、住宅ローンの支払いは最長で35年にわたり、火災や水害、盗難のリスクが続くためです。

万が一、返済中に建物が全壊した場合は建て直しが必要となり、一部損壊でも修復には多額の費用が必要となります。被害に遭っても住宅ローンの残高は消えず、支払いの負担は大きくなる一方です。経済的なリスクを回避するためにも、火災保険への加入は重要となります。

戸建て住宅の火災保険を選ぶ3つのポイント

火災保険への加入を決めたら、戸建ての引き渡し日までに手続きを完了させます。目安として、1~2か月前に資料請求し、2週間前には申し込みを終わらせましょう。以下に、火災保険を選ぶ際の主なポイントを3つ解説します。

補償対象を決める

火災保険の補償対象は、以下の3つから選択可能です。

・建物のみ
・家財のみ
・建物と家財の両方

戸建てを購入する場合は、「建物のみ」か「建物と家財の両方」から選ぶことをおすすめします。家財を補償対象に含めていないと、火災や洪水などの被害に遭った際、買い替えにかかる費用を全額自己負担しなくてはなりません。急な出費に備えがある場合を除き、保険金で支払える環境は安心です。

補償範囲を選ぶ

火災保険には「基本補償」と「任意補償」が用意されており、希望に応じて補償の範囲も決められます。

基本補償は、火災や落雷、台風による被害が対象となり、多くの商品で共通の内容です。一方、任意補償は、水災・盗難・水濡れ・外部からの飛来物など、対象が多岐にわたります。

補償の範囲が広いほど保険料は高くなるので、立地や家族構成を考慮しながら、保険料とのバランスを調整しましょう。

保険金額を設定する

補償範囲を明確にしたら、次は保険金額の検討に取りかかります。家財に関しては保険会社の定める範囲内で自由に設定でき、建物は新価(再調達価額)を基準に決めるのが一般的です。

新価とは、同等の建物を再建築または再購入するために必要な金額となります。経年劣化に関係なく、保険金は戸建て購入時の金額と同程度になるのが特徴です。

商品によっては、経年劣化による消耗分が差し引かれる「時価」基準の契約もあります。保険料が安いというメリットはありますが、補償金で再建や再購入できない可能性もあるので注意が必要です。

戸建て住宅の火災保険料を安くする方法

火災保険料は居住地や建物の構造によってある程度決まるものの、保険料を節約する手立てはいくつかあります。保険料の負担を減らすためには、以下の方法を検討してみましょう。

保険期間を長期に設定する

火災保険の保険期間は、契約者が1~5年まで選択できます。注目すべきは、保険料の支払い方法が同じでも、保険期間が長ければ保険料が安くなるという点です。同じ補償内容でも、保険期間が5年のほうが1年と比べて総支払額は少なく済みます。長期間住むのを前提としたマイホームなら、保険期間を長くするだけで保険料を抑えられて経済的です。

保険料を一度に支払う

保険料の支払い方法は、大きく分けて2通りあります。
  • 一度に全額を支払う「一括払い」
  • 保険期間中に分割して支払う「分割払い」
分割払いには年払いや月払いのオプションがあり、月払いよりも年払いのほうが金額は安くなります。同様の仕組みで、年払いよりも一括払いのほうが安くなるため、火災保険料は一括払いがおすすめです。

補償内容に優先順位をつける

火災保険は補償範囲が商品によって異なり、内容によって料金が変動します。補償を手厚くするほど料金が上がるからといって、必要な補償を削りすぎないようにしましょう。優先順位をつけて、リスクに応じた補償を選んでいきます。

補償の範囲を考える上で重視したいのが、自然災害に遭う確率です。市区町村が作成した「ハザードマップ」を確認すれば、お住いの地域でどのような災害が起こりうるのかを想定できます。

損害保険の見直し

火災保険以外の損害保険に加入している場合、補償内容が重複する可能性に注意が必要です。「個人賠償責任補償特約」や「弁護士費用特約」は多く見られる補償のため、契約書を確認してみましょう。

損害保険は損害額を超えて支払われないという規約があり、保険の種類が複数あっても実損分以上の支払いはありません。無駄な保険料の支払いをしないためには、現在の加入状況や補償内容の見直しが役に立ちます。

戸建てを購入する際は火災保険も検討しよう

戸建ての新築や購入には、さまざまな費用がかかります。火災保険料も重要な支払いの1つで、住宅ローンの契約条件として加入を求められるケースがほとんどです。保険を選ぶ際は商品を比較検討し、ご自身の住まいやリスクに応じて選ぶと失敗しません。また、加入方法や補償内容によっては保険料を節約できます。マイホームを建てる際は火災保険についても早めに検討し、賢い選択をしましょう。

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