2024.11.21お金のあれこれ

住宅購入時の諸費用について知ろう!内訳と金額の目安を具体的に解説

住宅購入の際には、物件代金以外にもさまざまな諸費用がかかります。この記事では、以下の項目についてわかりやすく解説します。
  • 住宅購入費用の内訳
  • 諸費用の内容と金額の目安
  • 諸費用を節約する方法
マイホーム購入の資金計画をスムーズに立てたい方や、どのくらいの現金を準備したらいいのか知りたい方は、ぜひ最後までお読みください。

住宅購入費用の内訳

住宅購入時には、「物件購入代金」と「その他の諸費用」という2つの大きな費用が発生します。諸費用には、物件に関連するものと住宅ローンに関連するものがあります。どちらも税金や手数料が主となり、住宅ローンの借入額には通常含まれません。現金での支払いが原則なため、住宅購入の時点で用意しておく必要があります。

物件にかかる諸費用の目安

物件にかかる諸費用は、購入した物件の価格や借りた住宅ローンの額によって異なります。代表的な項目と金額の目安を紹介しますが、あくまでも目安としてご覧ください。詳細に関しては、ハウスメーカーや工務店担当者への確認がおすすめです。(2024年11月時点の情報を基に本記事を作成しています。)

印紙税

売買価格が1,000万円超〜5,000万円以下の場合は、原則として2万円です。(軽減措置により1万円に減税中)

不動産取得税

不動産を取得した際に発生する地方税で、「固定資産税評価額×標準税率」で金額が算出される仕組みです。2027年3月31日までに取得した不動産の場合は、特例措置により税率が3%に設定されています。また、税額軽減措置によりゼロになるケースもあるので確認をおすすめします。

登録免許税

不動産を取得する際の登記にかかる国税で、税率は固定資産税評価額の0.4%〜2%となっています。登録免許税も2026年3月31日までに購入した物件には税額軽減措置の対象で、0.1%~1.5%に設定されています。

司法書士への報酬

登記手続きを司法書士に依頼する場合の報酬額は、登記の種類によって異なります。一般的には1〜13万円前後が目安です。

固定資産税清算金(および都市計画税清算金)

不動産所有者が購入後の所有日数に応じて負担する、その年の固定資産税です。売買価格に加算され、清算金は「固定資産税評価額の6分の1×1.4%」の日割り金額となります。

仲介手数料

不動産会社などが売買を仲介する場合の手数料です。物件価格×3%+6万円(税別)が上限となっているものの、会社によって金額が異なります。(物件価格400万円を超えるもの)

住宅ローンにかかる諸費用の目安

住宅ローンにかかる諸費用は、契約を結ぶ金融機関によって異なります。 物件にかかる諸費用と同じ項目であっても、別途支払わなくてはなりません。金額も異なりますので、あらためて理解が必要です。

印紙税

住宅ローン契約時に取り交わす「金銭消費貸借契約書」に貼る印紙代で、2〜6万円程度が目安となります。昨今は電子契約型の住宅ローンが出てきており、その際は印紙税が掛かりません。

登録免許税

住宅ローン借入時に発生する税金で、金融機関が土地や建物に抵当権を設定する際の登記にかかるものです。金額は、借入額の0.1%〜0.4%となります。

司法書士への報酬

登記手続きを司法書士に依頼する際の報酬で、4〜8万円前後が一般的です。司法書士や事務所によって金額が異なるので、事前確認をおすすめします。

融資事務手数料

住宅ローン契約時に金融機関に支払う手数料です。定額型と定率型があり、定額型の場合は3〜5万円程度、定率型の場合は借入額の1〜3%程度が目安となります。

ローン保証料

住宅ローンの返済が滞った場合、保証会社に支払いを行ってもらうための費用です。借入額の0.5〜2%程度が目安となるものの、ローン保証料は必須の費用ではありません。

物件調査手数料

住宅購入に際して、融資基準に適合するか調査するための費用です。新築一戸建ての場合、6〜8万円程度となっています。住宅ローンの種類によって、発生する場合と発生しない場合があります。

火災保険料

ほとんどの金融機関では、住宅ローン借入時に火災保険への加入を義務づけています。保険料は、契約期間が長いほど割安になるというのが特徴です。かつては30年以上の契約ができましたが、現在は最長5年までになります。

住宅購入時の諸費用は物件の種類によって異なる

住宅購入時には、物件の種類によってかかる諸費用が異なります。注文住宅・建売住宅・中古一戸建ての違いを以下の表にまとめました。ただし、状況や条件によっては変わる場合もあります。

  注文住宅(新築) 建売住宅(新築) 中古一戸建て
印紙税
不動産取得税
登録免許税
司法書士への報酬
固定資産税清算金  △
仲介手数料  ー  △
融資事務手数料  △  △  △
ローン保証料  △  △  △
物件調査手数料  △  △  △
火災保険料  △  △  △
(〇:かかる △:かからない場合もある ─:かからない)

税金はどの物件でも発生するものの、不動産取得税は軽減措置により非課税となるケースもあります。住宅ローンを借り入れる場合は、融資手数料やローン保証料が必須です。仲介手数料は仲介が入る物件にのみ発生し、中古一戸建てと一部の新築の建売住宅が対象となります。


住宅購入時の諸費用をシミュレーション

住宅購入にかかる諸費用の目安は、物件価格から大まかな試算が可能です。新築注文住宅では、物件価格の3〜6%前後とされています。物件価格から算出した金額の一覧は、以下の通りです。

物件価格 諸費用の目安
2,000万円 60万円~120万円
2,500万円 75万円~150万円
3,000万円 90万円~180万円
3,500万円 105万円~210万円
4,000万円 120万円~240万円
4,500万円 135万円~270万円

物件の価格が上がるにつれて金額は高くなり、必要となる現金も増えてきます。住宅ローンでの支払いを検討している場合、諸費用の試算は不可欠です。

住宅購入時の費用を節約する方法

住宅購入時には多くの費用が必要となるものの、出費は少しでも減らしたいものです。とくに現金での支払いとなる諸費用に関しては、節約すると初期費用の負担を軽くできます。ただし、専門家の知識が欠かせない項目もありますので、無理のない範囲で検討しましょう。

火災保険の保証内容を精査する

住宅ローンを組むにあたって火災保険への加入は原則必須となっているものの、保証内容は自由に選べます。金融機関からの提案を元に、ご自身に必要な保証内容を見極めるのが大切です。地震保険も同様に、プラン内容を十分検討しましょう。

ローン保証料の必要性を検討する

ローン保証料は、住宅ローンの返済が困難となった場合に保証会社に支払いを肩代わりしてもらうための費用です。ただし、ローン保証が不要なフラット35を選んだり、頭金を多めに用意して借入額を減らしたりすれば返済に困るリスクは減らせます。本当に必要かどうかを事前に見極めると、無駄な出費を節約できます。

自分で登記を行う

登記の知識や経験があれば、司法書士に依頼せずにご自身で手続きを済ませることも可能です。自力で登記を行えば、司法書士へ報酬を支払う必要がありません。ただし、専門知識がない場合は、時間や手間がかかる可能性もあります。自信がない場合は、複数の見積もりを比較検討してみるのも1つの節約方法です。

諸費用ローンを検討する

現金の用意が難しい場合、諸費用ローンを利用するという選択肢もあります。住宅ローンとは別の借入となり、返済額が増えるというのが難点です。月々の返済が負担となる可能性もあるので、毎月のランニングコストや将来の出費をシミュレーションした上で判断しましょう。

住宅購入は諸費用を考慮した資金計画が重要

住宅購入時の諸費用は、内訳によって金額が異なります。それぞれの支払いが少額であっても、総計するとかなりの金額となるので注意が必要です。新築注文住宅の目安は「物件価格の3〜6%」とされており、事前に現金の準備をしなければなりません。マイホームは住宅ローンで支払うイメージがあるかもしれませんが、諸費用を考慮した資金計画を立てましょう。

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