玄関から入り、右に進むとすぐに広々としたリビング＆ダイニング。家にいる時間のほとんどをここで過ごすとのこと。キッチン奥のカーテンの先にある通路は洗面所、玄関につながっている。「激しい色合いが得意ではないので、居心地良く感じる木目調のインテリアで統一しました。リビングでは、知人を呼んでピラティスを楽しむこともあります」と奥様。

　讃岐富士（飯野山）や青ノ山、瀬戸内海に囲まれ、大小のため池が点在する香川県丸亀市。中川さんご夫妻はこの地で工務店を営んでいます。玄関を上がると、お住まいの1階には事務所がありました。
「この地域、1年を通して雨は少ないのですが、海が近いため、夏は湿気が高まりやすいんです」と奥様。
以前暮らしていたアパートは、風通しが悪く、湿気によるカビに悩んでいたそう。「ソーラーサーキットの家は、夏でもジメジメ・ムシムシやカビと無縁で、とても過ごしやすいです。冷房の設定温度は28℃くらいで十分快適。寝る時はエアコンを切っていますが、暑苦しさはありません。周りが田んぼなので、夜は風が抜けて涼しいんですよ。保温性の高さも実感しています。冬は蓄熱暖房機だけで十分ですね」とほほ笑みます。

キッチンは仕切りの代わりに木製の縦格子を配置。角度によっては完全な目隠しになります。キッチンには、奥様が茶道で使う茶器も並びます。

　隣で静かにうなずくご主人は「空気の通りを良くするための工夫もしました。仕切りや扉をほとんどなくしたんです。開放的で部屋も広く見えて、とても気に入っています」と教えてくれました。「実は、１階も２階もグルっと一周できる間取り。右回りでも、左回りでも目的地に行け、家事もスムーズです」と奥様も続きます。
仕事仲間や友人をお住まいに招き、料理好きな奥様が手料理を振る舞うこともあるのだとか。「わが家が快適すぎるのか、皆さんに『帰りたくない』と言われます(笑)」​と嬉しそうな奥様。「仕事でいろいろなお住まいに伺いますが、我が家に帰ってくると、空気が違いますね。しっかり換気されていて、新鮮な空気だなといつも感じます」とご主人もほほ笑みます。

玄関脇にある事務所にて。会社を設立したのは約10年前。会社の立ち上げにあたり、和室だった部屋を事務所に。

茶道が趣味の奥様の着物が飾られている2階の一角。ストレスなく部屋を周回できるよう、お手洗いを真ん中に配置。

玄関からキッチンに続く廊下には、本棚を設置。奥様お気に入りのおしゃれな茶器はインテリアに。

　2009年に建築し、13年が経ったお住まい。これまで、1階にあった和室を事務所に作り変えるなど、暮らし方に合わせて手を加えてきました。今後はフローリングのリフォームを考えているそう。「現在の床はインドネシアチークの無垢のフロアで、てかりと硬い足触りが特徴ですが、足触りが柔らかい松や杉などに変えたいなと思っています。冬場はやわらかい質感の床材の方が暖かく感じるんですよ。あと、日中は日差しで2階が暑くなることもあるので、減築をして涼しい小屋裏を作るのも良いですね」とご主人は期待を膨らませます。
「リビングにはテレビがないので、普段はラジオや音楽を流してくつろいでいます」と奥様。夕食後、リビングで仮眠を取ったり、YouTubeを見たりするのんびりとした夫婦の時間が日々の癒やしなのだとか。休日は二人で趣味のカヌーに、食べ歩きに…といつも一緒のご夫妻。部屋はスミズミまでピッカピカ。仲睦まじいご夫妻の丁寧な暮らしがうかがえるお住まいです。

カヌーはご夫婦共通の趣味。夏場は高知県の四万十川に4泊5日のカヌーツアーに出掛けることもあるそう。「スマホなどの通信手段は一切もたず、大自然の中に飛び込みます。日常から離れてリフレッシュできる、最高に贅沢な日々です」とカヌーツアーを語るご主人。