2025.01.28家を建てるなら

家の建て替え完全ガイド!必要な費用やスケジュールを学ぼう

家の建て替えを検討しているけれど、リフォームとの違いや手続きの流れがわからないというお悩みは少なくありません。この記事では、以下の内容をわかりやすく解説します。
  • 家の建て替えに必要な手続きやスケジュール
  • 建て替えのメリット
  • 費用や注意点
築年数が20年以上の家にお住まいの方や、省エネ性能を向上させたい方にも役立つ情報です。ぜひ最後までお読みください。

家の建て替えとは?

家の建て替えとは、古い建物を完全に解体し、同じ敷地に新しい家を建てることです。新築する家は、間取りや設備、外観をご自身の好みに合わせてデザインできます。建設期間や費用はかかるものの、自分たちの理想の家を実現できるというのが最大の特徴です。家を建ててから20~30年が経って老朽化が目につく頃、家族の人数やライフスタイルが変化したタイミングなどで建て替えに踏み切る方が多く見受けられます。

リフォームと建て替えの違い

リフォームは、古くなった部分を新しい状態に修復することです。具体的には、屋根や外壁の修理、水回りの交換などが含まれます。また、平屋を2階建てにしたり、敷地内に新しい建物を建てたりして広さを増やす「増築」もリフォームの一部です。反対に、広さを減らす場合は「減築」と呼ばれます。

一方、建て替えは古い建物をすべて撤去し、同じ敷地に新しい建物を建てることです。つまり、建物を全壊して新築し直すのが建て替えであり、壊さずに修繕するのがリフォームとなります。

家を建て替えるメリット

家を建て替えるタイミングは人によって異なるものの、一般的には老朽化や家族構成の変化がきっかけとなるケースが多いようです。リフォームよりも時間や費用はかかるものの、長期的な視野で見るとメリットは多岐にわたります。

同じ場所に住み続けられる

建て替えの場合、古い家を解体し、同じ敷地内に新しい家を建てます。住む場所が変わらず、環境の変化によるストレスを感じることがありません。さらに、長年の経験を生かして、より快適な住環境を計画できます。新たな土地を購入する必要もないので、経済的な面でもお得です。

自由な設計ができる

建て替えは、建物を完全に解体してから新しく建てるため、元の家の間取りに縛られず自由な設計ができます。ライフスタイルの変化に柔軟に対応し、設備や性能も最新のものにアップデートできるのが魅力です。とくに断熱性は年々向上し、同じ広さの家でも冷暖房の効率が良くなるため、光熱費の削減に繋がります。

住宅ローンを一本化すると金利は下がる可能性がある

既存の住宅ローンが残っている場合、新築の家を建て替える際に一本化できます。「建て替えローン」や「住み替えローン」と呼ばれるもので、古いローンの抵当権を解消し、新しいローンを組む仕組みです。既存のローンを高い金利で借り入れている場合、建て替えローンに統合することで金利が低下するという利点があります。

家の建て替えスケジュール

家の建て替えは、新築やリフォームとは異なり、建物の解体工事が必要です。工期も長く、費用もかさむので、事前に流れを理解しておきましょう。建て替えの大まかなスケジュールについて解説します。

1.建て替えに向けての計画を立てる

家の建て替えは、計画を立てることから始まります。まずは、建て替えの目的や希望する家のイメージ、スケジュール、予算を明確にしましょう。工事費用のほかに住居費についても考え、住宅ローンや補助金の検討も重ねます。

2.住宅会社を選ぶ

建て替えのイメージが具体的になったら、住宅会社を選びます。特徴や費用を比較し、希望通りの家を建てられるかを確認しましょう。古い家の取り壊しも考慮し、実績のある住宅会社を選ぶのがおすすめです。

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3.詳細の打合せ

住宅会社を選んだら、実際に工事に関する依頼内容の打ち合わせが始まります。希望や予算を細かく伝え、資金計画や見積りを出してもらいましょう。標準仕様とは別にオプションが用意されている場合は、予算をオーバーしないように注意が必要です。

4.建築請負契約を結ぶ

打ち合わせの内容に納得し、建築請負契約を結ぶ際は以下の内容を確認します。

・工期
・代金内訳
・ローン特約
・違約金
・工事保証
・アフターサービス
・遅延損害金
・見積りの総額など

契約後に内容を変更する場合は、追加費用が発生する可能性もあるので注意しましょう。

5.建築確認申請の手続き

建築請負契約後に細かい設計を決定し、建築確認申請書を役所に提出します。建築確認は自治体または指定の民間検査機関が担当し、建ぺい率や容積率だけでなく、採光や換気などの構造もチェックされます。また、2025年4月からは住宅を建てる際に省エネ基準に適合することが義務化されるため、注意が必要です。

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6.住宅ローン申し込み

建て替えの住宅ローンは、建築確認申請前に仮審査を申し込みます。仮審査と建築確認通過後に、本審査を申し込むと把握しておきましょう。書類の準備や提出は住宅会社がサポートしてくれるものの、契約時に特約をつけるかどうか等、ローンの詳細についてはご自身で検討する必要もあります。

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7.工事中の仮住まいに引っ越す

建て替え工事中の仮住まいは賃貸でも十分なものの、契約期間が数か月単位となってしまうため入居先を見つけるのは困難です。工事開始前に慌てないよう、仮住まいの準備は早めにおこなう必要があります。

8.解体工事

木造住宅の取り壊しには1〜2週間程度かかるのが一般的で、近隣に騒音や振動で迷惑をかけてしまうのが問題です。事前に事情を話し、しっかりと挨拶を済ませておきましょう。

9.地盤調査と改良工事

古い家を取り壊して新しい家を建てる際には、地盤調査をおこないます。地盤が弱い場合は改良工事が必要で、地盤の状況によって工事内容や費用はさまざまです。

10.建て替え工事

解体工事と地盤調査が終わると、建て替え工事がスタートします。工事中は進捗状況を定期的に確認し、遅れが生じそうならすぐに対応しましょう。現場の職人とのコミュニケーションを大切にし、良好な関係を築くことも重要です。

11.引き渡し

新しい家が完成したら、引き渡しと同時に住宅ローンが実行されます。工事費の支払いや不動産登記手続き、鍵の受け取りをおこないましょう。住宅会社や金融機関、司法書士に手続きをサポートしてもらい、引越後に建て替えが完了となります。

家の建て替えにかかる費用と相場

家の建て替え費用は、大まかに以下の項目に分けられます。

建築地や建築内容により、金額が大幅に変わる場合があるため、目安とし、実際の検討時には住宅会社に必ず相談が必要です。

解体費用 木造住宅の場合、30坪程度であれば解体費用は100万円程度が目安
建築費用 30坪程度の木造家屋の場合、2,000万~3,000万円程度が一般的
諸費用 税金や仮住まいの費用が含まれ、工事期間や借りる家の賃料によっては200万円近くかかる

建築費に関しては、新居の間取りや広さ、階数によって金額が異なります。建て替えは、予算に合わせて家の設計を調整する必要もあります。予算や家族の人数などを考慮し、住宅会社の担当者と相談しましょう。

また、住宅ローンの借入や省エネ住宅への補助金制度も考慮し、予算には余裕を持たせることが大切です。

家の建て替え前に知っておきたい注意点

家の建て替えは、今ある土地に住み続けられるものの、最悪の場合は家を立て直せない可能性があります。ここでは、建て替えの前に知っておきたい注意点を3つ紹介しましょう。

新築にはない追加費用がかかる

建て替えには、新築住宅とは違っていくつかの追加費用がかかります。とくに、現在の家を取り壊す「解体費用」は、面積や建物の状態によっても金額が変わってくるので注意が必要です。また、排水管や水道管が古くなっている場合は、新しいものと交換しなければなりません。さらに、新しい家に関連する「登記簿の手続き費用」もかかります。

再建築不可の可能性がある

新しい家を建てるためには、建築基準法に則る必要があります。建築基準法は法改正ごとに見直されているため、条件によっては適合しないというのが問題です。再建築不可物件に該当してしまうと、更地にしても新たな建物を建てられません。対策を講じられるケースもあるので、専門家に相談してみるのがおすすめです。

道路の幅によってはセットバックが必要

家に隣接している道路の幅が4m未満の場合、建て替えの際にセットバック(後ろに下がって家を建てること)が必要となります。道路と建物の間に十分なスペースを確保するためのルールなので、必ず守らなくてはなりません。つまり、道幅が狭い地域で建て替えをおこなうと、新しい家が以前よりも小さくなってしまう可能性があります。

家の建て替えはプロの力を借りよう

建て替えは古い家の解体工事を伴うため、工程や手続きが煩雑になります。建築基準法のような専門知識も必要となるので、家づくりのプロに力を借りるのが賢い選択と言えます。記事を参考に大まかな流れや費用を把握したら、新居のイメージに合わせてハウスメーカーや工務店を選びましょう。