一軒家の購入を考えるにあたって、電気代の平均額を知っておくと光熱費の予算を立てやすくなって便利です。この記事では、以下の内容をわかりやすくお伝えします。
- 2人以上の世帯が支払う電気料金の平均
- マンションよりも戸建て住宅の電気代が高い理由
- 新築住宅の電気代を削減するためのコツ
マイホームを検討中の方や毎月のランニングコストを削減したい方は、ぜひ参考にお読みください。
一軒家の電気代は平均するといくら?
一軒家の電気代は、1か月に平均してどれくらいかかるかご存じですか。総務省統計局のデータを基に、2人以上家庭の電気料金の変化を解説します。また、集合住宅と戸建ての違いについても解説しましょう。
2人以上世帯の電気代5年間の月平均
2人以上の家族で暮らしている世帯の電気代は、2018年~2022年の5年間で以下のように変化しています。
年 |
月平均額 |
2022年 |
12,678円 |
2021年 |
10,317円 |
2020年 |
10,671円 |
2019年 |
10,825円 |
2018年 |
10,765円 |
(出典:総務省統計局ホームページ
「家計調査年報(家計収支編)」)
表を見ると、2021年までは大きな変化がありません。ところが、2022年になると月平均2,000円以上も値上がりしています。次は、電気代が高騰した理由についてお伝えしましょう。
電気代の高騰の主な理由
電気代が高騰した主な理由は、化石燃料の価格が値上がりしたことにあります。日本では、多くの電力は、石炭や天然ガス、石油などの化石燃料を原料としています。社会や政治の状況によって価格が大きく変わるため、新型コロナウイルスやウクライナ情勢の影響を受けて値段が上がっています。最近では円安も進んでいることで原料の輸入コスト増加にもつながっています。
一軒家と集合住宅の電気料金と使用量の違い
一軒家とマンションのような集合住宅では、電気料金や使用量が異なります。過去の調査によると、マンションのほうが月ごとに平均で2,000円ほど安いという結果もあったようです。電気の使用量自体も、平均して100kWhほどの違いがあると考えられています。つまり、一軒家は集合住宅よりも電気を多く使い、電気代も高くなる環境です。
一軒家の電気代がマンションよりも高くなる理由
一軒家の電気代の平均額は、マンションよりも高い傾向があります。主な理由は、「広さ」「契約アンペア」「気密性や断熱性」の違いです。それぞれが電気代にどのように関係するのかについて解説します。
専有面積
一軒家は、マンションやアパートと比べて、一般的に専有面積が広いというのが特徴です。そのため、エアコンや照明などの電力消費量が多くなります。また、ワンフロアの集合住宅とは異なり、戸建ては2階や3階まである造りがほとんどです。フロアが異なることで、家全体の冷暖房の効率が下がりやすく、同じような生活をしても電気代が高くなる傾向があります。
契約アンペア
電気代の基本料金は、契約アンペアによって異なります。詳細は電気会社によるものの、アンペア数が上がるほど料金が高くなるシステムです。複数の家電を同時に使う家庭ほど必要なアンペア数が増えるため、契約アンペア数を上げる傾向にあります。一軒家は、マンションよりも電力使用量が多いため、基本料金が高くなりがちです。
気密性や断熱性
鉄筋コンクリート造のマンションは、木造の戸建てと比べて外部に接している表面積が小さく、室内を一定の温度に保ちやすいのが特徴です。結果、冷暖房器具の使用量が減らせ、一軒家よりも光熱費が安めになります。しかしながら最近では、戸建でも高い気密性と断熱性を備えているため、鉄筋コンクリート造のマンションとの差は小さくなっています。
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省エネ住宅なら電気代を抑えられる
建物の構造上、一軒家の電気代は集合住宅よりも高くなる傾向があります。ただし、省エネ住宅なら光熱費を抑えられ、電気代も大幅に削減可能です。マイホーム新築の際は、省エネ住宅も選択肢の1つに入れてみましょう。
省エネ住宅の特徴
省エネ住宅とは、消費エネルギーを節約できる家を指します。断熱性や気密性を高め、従来の住宅よりも室温を快適に保ちやすいのが特徴です。電気代やガス代を削減でき、環境にもやさしいというメリットもあります。
世界中で再生エネルギーに注目が集まる中、日本でも太陽光発電システムやエコキュートなどの利用が増えています。家を建てる際に費用はかかるものの、入居後の生活費が安くなるという魅力もあります。
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省エネ住宅の代表はZEH(ゼッチ)住宅
ZEHとは、net Zero Energy House(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)の略で、エネルギー収支をゼロ以下にする家を意味します。省エネだけでなく、創エネも備えているのが特徴です。
家で使うエネルギーを自給できるので、光熱費を減らすことに貢献します。初期費用は高くなるものの、長い目で見るとランニングコストを抑えられて経済的な面があり、更にZEH住宅の新築には、国からの補助金制度も用意されています。
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新築住宅の電気代を抑える3つのポイント
家を建てるにあたって、電気代削減に向けてできる工夫はいくつかあります。とくに注文住宅の場合は、省エネ住宅を得意とする住宅会社を選ぶのがおすすめです。新築住宅で採り入れやすい電気代を抑える3つのポイントを解説します。
建物の気密性と断熱性を高める
建物の気密性や断熱性は、電気代に大きな影響を与える要因です。一軒家を建てる際は、高気密・高断熱を十分考慮しましょう。高性能の断熱材や窓ガラス、サッシの使用を推奨されているものの、費用がかかるというのが難点です。初期費用は高くても、冷暖房の費用を削減できるだけでなく、結露の発生を防ぐことでのカビの発生や温度差による建物や住まい手への影響を減らすことに役立ちます。
省エネ設備と家電の導入
エコキュートなどの省エネ設備や家電の性能によっても、電気代は変化します。たとえば、冷蔵庫やエアコンなどの家電は、一般的に新しいものほど省エネ性が高いというのが特徴です。大きな家電を頻繁に買い替えるのは難しいかもしれませんが、電球をLEDに変えるだけでも電力使用量は削減できます。一軒家の建築にあたって、省エネ設備の採用も検討しましょう。
電力会社やプランの検討
契約する会社やプランによって、電気料金は異なるので注意が必要です。たとえば、「ガスと一緒に契約すると割引される会社」や「昼間に電気を使うと安くなるプラン」というように選択肢は複数あります。ご自身の生活に合ったプランを選ぶと、これまで通りの生活をしていても電気代を節約できてお得です。
一軒家の電気代節約は住宅会社選びも重要
一軒家の電気代を平均すると、集合住宅よりも高くなるケースが多く見受けられます。そのため、新築住宅を購入する際は、省エネ性の高い家を選ぶのがおすすめです。電気代を節約できるだけでなく、環境にもやさしい暮らしが実現できます。補助金制度を使えば、初期費用の一部の給付を受けることで経済的です。
ただし、省エネ住宅を建てる技術やノウハウは、住宅会社によって異なります。高気密・高断熱住宅だけでなく、通気性や換気性能も重要なポイントです。省エネだけでなく、住み心地の良さも考えているハウスメーカーや工務店を選びましょう。